だからお釣りの勘定がヘタなんや
2009年05月04日 17:36
5/3放映された「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」を鑑賞。この番組は日本未公開のアメリカ製ドキュメンタリー映画を丸々一本観せてしまおうという番組で、一本の作品を2週に渡って放映している。
今回は「MAXED OUT」という作品の前編だ。「MAXED OUT」とは、クレジットカードを限度額いっぱいまで借りてしまった事を示す言葉で、この作品は”カード地獄のアメリカ”が描かれており、サムプライムローン崩壊を予期していたと云われる問題作でもある。
まず、アメリカ人3億人の人口に対して、クレジットカード発行枚数(実際に使われている)は、
何と約15億枚だそうだ。ちなみに子供はカードを持てないので、一人あたま7~8枚だろうか。
(町山氏はこの数字で松嶋を驚かせようとしていたが、松嶋がアッサリ当ててしまったのが笑える)
ちなみに今のアメリカ人はハンバーガー1個、コーヒー1杯にもカードを使用する。つまり何の支払いでもカードで済ますそうだ。「だからお釣りの勘定がヘタなんや」はその事を聞いた松嶋の言葉。
それとアメリカ人全体のクレジットカードで借りている額だが、
約9510億ドル(約95兆円)になる。しかも自動車や住宅ローンは含まれていない、純粋にカードローンだけでだ。・・・もう訳判らん。
そんなカード依存症に陥ったアメリカが描かれている作品である。
前半では主に金融会社がどの様な変貌を遂げてきたのかが描かれる。ところで金融会社にとっての求められるお客様とはいったいどの様な人たちだろうか?もちろん、借りたお金を期限通り返す人だろう、普通に考えれば。だがこの常識が1990年後半ごろから変化してくる。
今、金融会社にとってオイシイとされるお客さんは、”返却期間を最大限まで引き延ばし、破産してくれる人”だそうだ。アメリカでは返却の延滞に対し罰則を設ける事ができ、その額がバカ高い。そしてそのお金が純粋に利益になる。だからこそ延滞は歓迎される。
そして一度破産してしまえば二度とは破産できない。それでもクレジットカード自体を止める事ができない(破産した人にもカードを持たせてくれる会社がある)ので、月々の最小返済金額を永遠と支払う事になってしまう。それだけで儲かる事ができてしまう。
大手銀行が金融会社とグルになっているのも問題だ。ターゲットにされるのは低所得の人たちで、巧妙に書類を作成し、どうせ判らないだろうと無理やりサインさせ金利や利率を勝手に上げてしまう。それが払えなくなってしまうと家を差し押さえてしまう。
2004年には30州に渡り銀行を訴えたが、ブッシュ大統領時代制定された連邦政府の監視委員は銀行を庇護した。明確な証拠が無いからだ。法律を上手く掻い潜っているというべきだが。
それに現在問題になっているのは、大学生になりたての人たちを狙った執拗な勧誘だ。学校に入学すると、学校内の至る所でクレジットカード勧誘の誘いを受ける事になる。しかも学校側が協力して斡旋しているので、気軽に申し込む生徒も多い。それに大学生になりたてである人の心理を上手く付いていて、”大人として認められた”という優越感には勝てないようだ。
だが精神的に未熟な若者の自制が保たれる訳は無く、たった1年でカードを12枚も発行する事になってしまい、返済地獄で勉強などできず働き詰めになってしまったり、当然破産してしまう人もいるという。定職に付いてない大学生は支払能力が低いから返済も滞り、儲けになるという考え方なのだ。実際同じ年齢で定職に付いている人達に勧誘は来ないという。
日本ではまだ借りる人に返済能力を問われ、その結果に基づき貸し出し限度額が決まる。だがアメリカではそんな事は一切お構い無しに貸してしまう。例え年収2万ドルの人でも年間3万ドル借りる事ができてしまう。破産すれば「その借金を返すためのお金を貸しますよ」と、日本の闇金みたいなシステムを大手銀行がやり始めている。逃げようにもアメリカ人は国民一人一人にソーシャルセキュリティナンバーが付いているので、生活していくためには逃げる事はできない。映画の話ではないが、ヤクザにでも頼んで死んだ事にでもしなければ逃げ切れないそうだ。
何だか救われそうも無い話だが、後半は更に気が重くなるらしい。では続きは後半で!
今回は「MAXED OUT」という作品の前編だ。「MAXED OUT」とは、クレジットカードを限度額いっぱいまで借りてしまった事を示す言葉で、この作品は”カード地獄のアメリカ”が描かれており、サムプライムローン崩壊を予期していたと云われる問題作でもある。
まず、アメリカ人3億人の人口に対して、クレジットカード発行枚数(実際に使われている)は、
何と約15億枚だそうだ。ちなみに子供はカードを持てないので、一人あたま7~8枚だろうか。
(町山氏はこの数字で松嶋を驚かせようとしていたが、松嶋がアッサリ当ててしまったのが笑える)
ちなみに今のアメリカ人はハンバーガー1個、コーヒー1杯にもカードを使用する。つまり何の支払いでもカードで済ますそうだ。「だからお釣りの勘定がヘタなんや」はその事を聞いた松嶋の言葉。
それとアメリカ人全体のクレジットカードで借りている額だが、
約9510億ドル(約95兆円)になる。しかも自動車や住宅ローンは含まれていない、純粋にカードローンだけでだ。・・・もう訳判らん。
そんなカード依存症に陥ったアメリカが描かれている作品である。
前半では主に金融会社がどの様な変貌を遂げてきたのかが描かれる。ところで金融会社にとっての求められるお客様とはいったいどの様な人たちだろうか?もちろん、借りたお金を期限通り返す人だろう、普通に考えれば。だがこの常識が1990年後半ごろから変化してくる。
今、金融会社にとってオイシイとされるお客さんは、”返却期間を最大限まで引き延ばし、破産してくれる人”だそうだ。アメリカでは返却の延滞に対し罰則を設ける事ができ、その額がバカ高い。そしてそのお金が純粋に利益になる。だからこそ延滞は歓迎される。
そして一度破産してしまえば二度とは破産できない。それでもクレジットカード自体を止める事ができない(破産した人にもカードを持たせてくれる会社がある)ので、月々の最小返済金額を永遠と支払う事になってしまう。それだけで儲かる事ができてしまう。
大手銀行が金融会社とグルになっているのも問題だ。ターゲットにされるのは低所得の人たちで、巧妙に書類を作成し、どうせ判らないだろうと無理やりサインさせ金利や利率を勝手に上げてしまう。それが払えなくなってしまうと家を差し押さえてしまう。
2004年には30州に渡り銀行を訴えたが、ブッシュ大統領時代制定された連邦政府の監視委員は銀行を庇護した。明確な証拠が無いからだ。法律を上手く掻い潜っているというべきだが。
それに現在問題になっているのは、大学生になりたての人たちを狙った執拗な勧誘だ。学校に入学すると、学校内の至る所でクレジットカード勧誘の誘いを受ける事になる。しかも学校側が協力して斡旋しているので、気軽に申し込む生徒も多い。それに大学生になりたてである人の心理を上手く付いていて、”大人として認められた”という優越感には勝てないようだ。
だが精神的に未熟な若者の自制が保たれる訳は無く、たった1年でカードを12枚も発行する事になってしまい、返済地獄で勉強などできず働き詰めになってしまったり、当然破産してしまう人もいるという。定職に付いてない大学生は支払能力が低いから返済も滞り、儲けになるという考え方なのだ。実際同じ年齢で定職に付いている人達に勧誘は来ないという。
日本ではまだ借りる人に返済能力を問われ、その結果に基づき貸し出し限度額が決まる。だがアメリカではそんな事は一切お構い無しに貸してしまう。例え年収2万ドルの人でも年間3万ドル借りる事ができてしまう。破産すれば「その借金を返すためのお金を貸しますよ」と、日本の闇金みたいなシステムを大手銀行がやり始めている。逃げようにもアメリカ人は国民一人一人にソーシャルセキュリティナンバーが付いているので、生活していくためには逃げる事はできない。映画の話ではないが、ヤクザにでも頼んで死んだ事にでもしなければ逃げ切れないそうだ。
何だか救われそうも無い話だが、後半は更に気が重くなるらしい。では続きは後半で!
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