ホーム

スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告

2010年下半期・年間ベスト&ワースト

2011年01月21日 19:01

遅くなってしまいましたが、2010年下半期のベスト&ワーストと、2010年年間を通してのベスト&ワーストを選出したいと思います。下半期はそれぞれのベスト5、年間はそれぞれのベスト10を書き出します。毎度書きますが、順位に関してはあまり厳密な理由付けはありません、フワッと付けとりますので。


ちなみに2010年は合計で195本観ていました。・・・観てない時期もあったんだけど、意外に本数いったな。



ではまず洋画の下半期ベストから


1.『インセプション』  監督/脚本:クリストファー・ノーラン 主演:レオナルド・ディカプリオ

小難し屁理屈を、一級のエンタメ要素にすり替え表現してしまった奇跡的とも云える傑作。「ダークナイト」によって地位と名誉を手に入れたノーラン監督の捨て身のオリジナリティが素晴らしい。・・・計算づくかな?

2.『義兄弟 SECRET REUNION』 監督/脚本:チャン・フン 主演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン

決して楽観視してはならない題材ながら、それをモノともせずエンタメ作品として仕上げた手腕が見事な痛快娯楽作品。本作が長編2作目なのは信じがたいが、新鋭チャン・フン監督の今後には大いに期待したい。

3.『キック・アス』 監督/脚本:マシュー・ヴォーン 主演:アーロン・ジョンソン

ヒーローをオタク視点で現実化してしまった、ある意味夢みたいな作品。厳しい面も含めてだけど。ただ主役はどう見たってヒット・ガールであり、彼女の存在なくしてあの度を越した爽快感は得られないだろう。

4.『トイストーリー3』 監督:リー・アンクリッチ 声の出演:トム・ハンクス

誰しも体験するおもちゃとの決別を、全ての人たちの視点で描き切った揺るぎない完成度を誇るアニメーション。文句の付けどころが無いのが不満になるという、捻くれた自分の見方が恨めしい作品であった。

5.『[リミット]』 製作/監督:ロドリゴ・コルテス 主演:ライアン・レイノルズ

映画としてはまだまだ未熟な部分が多いんだけど、アイデアと心意気に惚れ込んだインディーズ作品。特にああいった結末にしたのは英断で、だからこそ自分には響いてきた。今後はテクニックを身に付け頑張って欲しい。

次点としては作品としての完成度が非常に高い『瞳の奥の秘密』『ヒックとドラゴン』、当たりの多かったジャッキー作品として『ラスト・ソルジャー』『ベスト・キッド』、ヨーロッパ系では『君を想って海をゆく』『リトル・ランボーズ』『100歳の少年と12通の手紙』『プチ・ニコラ』など、ジャンルを選ばない人間ドラマとして見応えのある作品が多かったように思う。

下半期の洋画は全体的に良作が多かった。ハリウッド大作でオリジナル作品ある『インセプション』の1位は、正直稀な現象ではあるんだけど、リメイクやアニメであっても完成度の高い作品が割に多く、不満も少なかった。ヨーロッパ系の作品も、派手さはないものの人間味溢れる秀作が結構公開され嬉しい限りだ。ただシリーズものにおける先細り感がちょっと目立っていたかなぁ・・・もう終わってしまうシリーズばかりだけど。




続いて邦画の下半期ベスト


1.『さんかく』 監督/脚本/照明:吉田恵輔 主演:高岡蒼甫

日常の情景描写のみで語る痛い三角関係を描いた傑作ドラマ。自然極まりない振る舞いによって、キャラクターの心情が手に取るよう思える演出法が素晴らしく、あまりの現実感にどうしようもなく感情移入してしまう。

2.『乱暴と待機』 監督/脚本:冨永昌敬 主演:浅野忠信、美波

リアルとは程遠い、滑稽でくだらなく楽しい人間関係が描かれるアッパー作品。どうでもいいやり取りの中に、実は人の本質が見え隠れするのは私の勘違いかもしれないが、そんなのどうでもよくなる作品でもあった。

3.『最後の忠臣蔵』 監督:杉田成道 主演:役所広司

侍としての是非を問うたかもしれない傑作時代劇。人の強さと優しさをここまで丁寧に描いた時代劇、そうはないだろう。主演の役所広司の人間性溢れる演技に改めて驚愕しながら、終始ずっと泣いておりました。

4.『十三人の刺客』 監督:三池崇史 主演:役所広司

同じ役所広司主演でも作品性は真逆の徹底した暴力映画。三池監督の趣味の悪さが追い風にもなっているのだが、あれこれ考えずエンタメに徹したのが却ってよかったのだろう。・・・いや、だから趣味は悪いよ?

5.『キャタピラー』 監督:若松孝二 主演:寺島しのぶ

戦争の愚かさを、限りなく陳腐で滑稽に描き出す反戦映画。低予算を逆手に取った学芸会的ノリが、よけいに戦争の残酷さを浮き彫りにする・・・ような気がする。・・・そういう意図で作ったんではないだろうけど。

他には常に殿堂入り作品を作りだす原恵一監督の『カラフル』、うがった見方をしなくて済む難病モノ『おにいちゃんのハナビ』、アニメの醍醐味を再確認できる『おまえうまそうだな』、夢と現実の痛さ・切なさが交差する『SRサイタマノラッパー2~女子ラッパー☆傷だらけのライム~』、純粋なエンタメ作品としては最高補『ちょんまげぷりん』などが印象深い秀作。

特撮ではやはり『劇場版仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』が群を抜いて完成度が高かった。それと意外なホープだったのが『君に届け』で、あれほど学園の恋愛モノで泣いたのは初めてかもしれない。いまTVシリーズを追いかけ中なくらいハマってしまった。

相変わらず全体的なレベルは低いし、ク〇みたいな作品は基本日本映画ばかりなのに変りはないんだけど、面白いと思える作品も大手・インディーズに限らずバランスよく作られていたのが印象的だった。大方の予想通りつまらない作品が多いと共に、予想を裏切る傑作に巡り合えるのも日本映画の方が多いのだ。そういう意味では当たりこそ少ないものの、観てナンボの作品が隠れている場合もある訳で・・・結局は観るしかないんだろうねェ。




では続いて洋画・邦画含めてのワーストを


1.『マザーウォーター』 監督:松本佳奈 主演:小林聡美

生きている人が誰ひとり登場しないゾンビ映画。いや、ゾンビの方がまだ愛嬌があると思える薄気味悪い作品。こんなのばっか出演してる小林聡美ともたいまさこの価値が、年々落ちていくような気がするのは気のせいか。

2.『ゴースト もう一度抱きしめたい』 監督:大谷太郎 主演:松嶋菜々子

映画なんてこれっぽちも興味のない企業のおエライさんが企画した、一昔前の話題作を土足で踏み荒らす所業の一旦。・・・知らんけど。ってかもしこれが本気っていうのなら、それはそれで大問題だと思うのだが。

3.『ハナミズキ』 監督:土井裕泰 主演:新垣結衣

10年経っても何も変わりはしない愚かさを描いた陳腐な純愛ラブストーリー・・・を模倣した駄作。作り手たちにおける、扱う題材に対して何のアプローチもしない徹底さはむしろ潔く、バカを通り越して呆れてしまう。

4.『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』 監督:中田秀夫  主演:藤原竜也

ミステリーとして成り立っていない、ホリプロ所属タレント総出演の恐くないサスペンス映画。ホリプロの女優陣の名前にひらがなが多いのは偶然か?中田監督はこんなんで大丈夫なのか!?って疑問はいっぱいあるけど。

5.『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』 監督:本広克行 主演:織田裕二

金儲けに作った踊るシリーズ最新作。監督・脚本・プロデューサーの3バカトリオがいつまでも君臨してるため、作品としての質が向上する筈はなく、ってかそれにすら気が付かない無限スパイラルに陥ったシリーズ。

あとは、作り手のドヤ顔しか浮かばない『私の優しくない先輩』、人力スペクタクル『THE LAST MESSAGE 海猿』、最後まで男女逆移転の意味を見い出せない『大奥』、見た目だけの『SP野望篇』、都合のいい妄想だけを立体化させた『ライトノベルの楽しい書き方』などが挙げられる。洋画だと作品の出来云々というより、価値観の違いに引っ掛かった『ザ・コーヴ』が思い浮かぶ。・・・まあ結局はほぼ全てが邦画となったが。




さてさて、最後は年間のベスト&ワースト10ですね。サクッと書き並べてみますか




2010年/年間ベスト10

  1.『息もできない』 製作/監督/製作/主演:ヤン・イクチュン

  2.『インセプション』 監督/脚本:クリストファー・ノーラン 主演:レオナルド・ディカプリオ

  3.『第9地区』 監督/脚本:ニール・ブロムカンプ 主演:シャールト・コプリー

  4.『彼と私の漂流日記』 監督/脚本:イ・ヘジュン 主演:チョン・ジェヨン

  5.『さんかく』 監督/脚本/照明:吉田恵輔 主演:高岡蒼甫  

  6.『義兄弟 SECRET REUNION』 監督/脚本:チャン・フン 主演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン

  7.『乱暴と待機』 監督/脚本:冨永昌敬 主演:浅野忠信、美波

  8.『キック・アス』 監督/脚本:マシュー・ヴォーン 主演:アーロン・ジョンソン

  9・『最後の忠臣蔵』 監督:杉田成道 主演:役所広司

 10.『トイストーリー3』 監督:リー・アンクリッチ 声の出演:トム・ハンクス  


いつもそうだけど、10位辺りを悩んでしまう。『十三人の刺客』にしようかとも思ったが、アニメーションを選んでいなかったので『トイストーリー3』にした(『ヒックとドラゴン』も同等に素晴らしいが)。

2010年は何といっても『息もできない』に尽きる。観た瞬間ダントツ1位だと感じたがその通りになった。なので、自分の中ではちょっと別格扱いかも。とはいえ2010年は結構な秀作揃いで、選考するのに悩んだのも確か。個人の趣向が反映されているので偏った選考になってしまっているが、ここに名前が登場していない作品の中にも普通に面白い作品はまだまだあるのだ。・・・う~ん嬉しい悲鳴なんだろうね、それって。



続いて年間のワースト10を。




2010年/年間ワースト10

  1.『マザーウォーター』 監督:松本佳奈 主演:小林聡美

  2.『ゴースト もう一度抱きしめたい』 監督:大谷太郎 主演:松嶋菜々子

  3.『サヨナライツカ』 監督/脚本:イ・ジェハン 主演:中山美穂

  4.『ハナミズキ』 監督:土井裕泰 主演:新垣結衣

  5.『交渉人 THE MOVIE 高度10,000mの頭脳線』 監督:松田秀和 主演:米倉涼子

  6.『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』  監督:中田秀夫 主演:藤原竜也

  7.『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』 監督:本広克行 主演:織田裕二

  8.『瞬 またたき』 監督/脚本:礒村一路 主演:北川景子

  9.『ライトノベルの楽しい書き方』 監督:大森研一 主演:須藤茉麻

 10.『ザ・コーヴ』 監督:ルイ・シホヨス 主演:リック・オリバー


まあ大体は上半期と下半期の組み換えになりましたね、いつもそうだけど。ちなみにワーストもベストに続き1位はダントツで『マザーウォーター』だった。っていうか、ここ近年でも一番嫌いな作品なんでね、何の迷いもなく1位って事で。ただ正直言うと、これでも地雷を踏まないようしていた(特に上半期は)ので、実際はまだまだあるんだろうねェ、観ていないだけで。・・・別にあえて観ようとは思わないが。



2010年の総評

洋画・邦画含め、昨年に比べて満足できる作品が数多かったように思う。くだらない作品との出会いがあるのも確かだが、それ以上に予想を上回って感激する作品との出会いが多かった。これは素直に喜ばしい現象であると共に、その機会に恵まれた事には心から感謝したい。

じゃあ業界が成熟してきたのか?と云えば別にそんな事はなく、特に日本映画界は未だ衰退の一途を辿っている。タイアップが無ければマトモな制作費が発生しないとか、TVのディレクターが当たり前に映画の監督を務めたりとか、ドラマの続きとか、ネームバリュー頼りの配役とか。それが功を奏し、成功する例もあると云えばあるよ、確かに。でもいくらなんでも確率が低すぎる。逆に云えば、あれだけTV屋主体で映画を作っているのだから、いい加減もうちょっと成長するなり成熟してもいいんじゃね?って思うけど。

ホントはそれでもヒットしちゃう現実こそが一番の問題なんだけどね。日本人的な趣向を上手く利用した戦略だから、それを改善するってのは非常に困難だけど、何かねェ・・・釈然とはしない、情けないけど。

日本人って、安心を求めるでしょ?大ざっぱに言えば何に対しても。だから例えその人にとって傑作な作品であっても、よほど信頼できる推薦者でも現れない限りこれまでに聞いた事のある、知った人の出演してる作品を選んでしまう。もしそれが自分の見ていたドラマの続きであれば尚更で、年間それほど映画を観に行かない人が選ぶ映画の大半はそういった理由で選ばれちゃう、どうしても。しかも、そういう人たちが満足してしまう以上にTV屋主体の作品は作られているのだから、おこぼれなんか期待はできない。

要は、自分なんかが好き好んで観てる作品に群がってくる絶対数には変化が無い、もしくは緩やかとはいえ減ってきてしまっているのが現状って事だ。今年(2011年)になってから、都内に構えるそこそこ歴史のある単館の上映館が相次いで閉鎖してしまうのは、そんな絶対数が減ってきているから・・・という見方がまんざら間違ってはいない証拠だろう。今後、良作との出会いが減ってしまうのは哀しいかな必然で、興行収入だけは好調で活気ある日本映画界であっても、自分にとっては本格的に冬の時代を迎える事になりそうだ。


・・・もうちょっと厳選してみようかな?来年こそ。
スポンサーサイト

映画/年間ベスト&ワースト コメント: 2 トラックバック: 0

2010年上半期ベスト&ワースト

2010年07月09日 15:28

2010年上半期に鑑賞した映画のベストとワーストを選出します。ベストは洋画・邦画で各5作品、ワーストはまとめて5作品を掲載します。ただ順位は付けてますが、不動と云うより一応付けてみました程度に捉えて頂けると助かります。・・・いつまで経っても優柔不断なもので。


ではまず洋画のベストから


1.『息もできない』 製作/監督/脚本/編集/主演:ヤン・イクチュン

作品全てを兼任したヤン・イクチュンの個人的想いしか詰まっていない作品ながら、自慰行為に陥る事なく人間を描き切った大傑作。途中、ホントに息ができないくらいに泣き崩れてしまった。


2.『第9地区』 監督/脚本:二ール・ブロムカンプ 主演:シャールト・コプリー

主演が驚くほどヘタレな小市民・・・だからこそ彼の奮起する姿に究極と云えるカタルシスを感じてしまう傑作。内に秘めてる作家性も見え隠れするけど、「ヒャッホー!!」を雄叫びを上げ楽しむのが正解。


3.『彼とわたしの漂流日記』 監督/脚本:イ・ヘジュン 主演:チョン・ジェヨン

非常に特異な設定のファンタジックなラブストーリー。監督は作品全てにセンスの良さを感じるほどの映像クリエイターでありながら、「生きるとは何ぞや?」という人の根源までも描いてしまう凄い人。


4.『かいじゅうたちのいるところ』 監督/脚本:スパイク・ジョーンズ 主演:マックス・レコーズ

子供が子供たる事を当たり前に表現した作品。作品全てが子供目線で描かれているため、大人特有の価値観だと子供に対するイライラが生まれるかも。できればその固定観念を取り払って観て欲しい作品だ。


5.『バッド・ルーテナント』 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 主演:ニコラス・ケイジ

ニコラス・ケイジのあまりにリアルな薬中演技が最高な、人道的にはオススメできないロクデナシ作品。皮肉が回り回って正当化(正義)してしまうという、良い子は真似しちゃダメな人生の可笑しさが描かれている。


次点としては『マイレージ、マイライフ』『Dr.バルナサスの鏡』、変化球な恋愛モノの『(500)日のサマー』や、個人的想い入れの強いジョニー・トー監督の『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』、タラちゃん大絶賛の『フローズン・リバー』、それとディズニーでありながら大人な表現が目を惹いた『プリンセスと魔法のキス』などがあった。

今年の上半期はアメリカ映画が不作な感じがした。特にハリウッドの大作には魅力ある作品が無かった(一時期体調を崩して観ていない作品もあるけど)気がする。それはインディーズであっても同様で、この時期アカデミー賞関連の作品が多く公開されたにも関わらず、面白い以上のより一歩突き抜ける感を味わえる作品がほとんど無いのだ。本数的には数えるほどしか観ていない韓国映画をトップに2作品選んだのは決してまぐれではない。


続いて邦画のベストを


1.『川の底からこんにちは』 監督/脚本:石井裕也 主演:満島ひかり

日本映画を背負って立つ満島ひかり主演の快作。俊英・石井裕也監督の独特のセンスが炸裂する今どきな作品だが、ネガティブなモノほど生きる活力を生み出すという、よく判らない説得力もあったりする作品。


2.『ヒーローショー』 監督/脚本:井筒和幸 主演:後藤淳平/福徳秀介(ジャルジャル)

井筒監督が品川の『ドロップ』に腹が立って造ったと噂のある作品。「暴力ってのはこうじゃあ!!」って気迫と共に、執拗に暴力を見せていくその姿勢はアッパレと云える。ジャルジャルの2人も中々いい。


3.『BOX 袴田事件 命とは』 監督/脚本:高橋判明 主演:萩原聖人

昭和41年に静岡県清水市で起きた通称”袴田事件”を題材にした作品。今だからこそ訴えるべき事が詰まっている事件で、半世紀経っても変わらない問題を抱える我が国の司法制度には戦慄さえ感じてしまう。


4.『ねこタクシー』 監督:亀井亨 主演:カンニング竹山

地方局放映のTVドラマ版を映画化する一連のシリーズの最新作。”動物はあくまで動物”である事を一貫して表現しており、動物頼りにしないその作品造りの姿勢にとても好感が持てる。当たり前なんだけどねェ。


5.『アウトレイジ』 監督/脚本/編集:北野武 主演:ビートたけし

北野作品としては7年振りとなる、純度の高いバイオレンス作品。登場する連中全員が程度の低い悪者(というかロクデナシ)ばっかりなので、笑いのテンポで繰り広げられる暴力が痛快で堪らなくなる。


次点としては様々な議論を呼んだであろう『告白』や、西原節が炸裂しながらも新境地と云える『パーマネント野ばら』、お祭りとして楽しめる『きょーれつ!もーれつ!古代少女ドグちゃんまつり』、意外に燃えて面白い『ソフトボーイ』、新人らしかぬ構成が見事な『イエローキッド』などがあった。

上半期の邦画はそこそこのレベルに達した作品が多かったように思う(地雷も避けてたけど)。相変わらずク○みたいな作品を生み出す連中も多いが、低予算ながらも見応えのある作品が徐々に増えつつある傾向にも感じられた。っていうか、一部のお金を持ってる連中以外はそういう体制でしか作品造りができない環境が蔓延しちゃっている訳で、だったら開き直ってアイディア勝負に打って出てる作り手が増えてきた、と見るべきかも。


では最後に洋画・邦画を含めてのワーストを


1.『サヨナライツカ』 監督/脚本:イ・ジェハン 主演:中山美穂

旦那・辻人成のために無駄脱ぎしたミポリン主演の不倫劇。なんちゅーかやってる事全てがどうでもよく見えてしまうのは、私に愛が欠落しているからだろうか?あー!思い出のミポリンよ!カ~ムバック!!


2.『交渉人 THE MOVIE 高度10,000mの頭脳戦』 監督:松田秀知 主演:米倉涼子

TVシリーズが人気を博したらしく(見た事ないけど)、その劇場版。頭脳戦なんてモノは一切行われず、全てを力押しでやっつける宇佐木玲子の活躍が描かれている。・・・コイツらってかっこいいのか?


3.『猿ロック THE MOVIE』 監督:前田哲 主演:市原隼人

これまたTVシリーズが人気を博した(存在自体知らなかったけど)事で劇場版になった作品。猪突猛進のサルに「物事を上辺だけで見るな!」って叫ばれても、何も心に響かないと思うが。・・・私だけ?


4.『瞬 またたき』 監督/脚本:礒村一路 主演:北川景子

「涙でページがめくれない」との噂高い同名小説が原作の作品。作品を司る全てが何となく変なんだけど、原作者の方はどう思ってんだろうか?ちなみに私は一瞬たりとも泣けなか・・・あ、あくびして泣いたな。


5.『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』 原作/脚本/監督/製作総指揮:西崎義展 声の出演:山寺宏一

犯罪者と呼んでも差し支えない経歴の持ち主、西崎義展イズム全開の「宇宙戦艦ヤマト」最新作。オープニング、石原慎太郎の名前がスクリーンにデカデカ表示されたのを見たとき、初めて東京の危機を感じたよ。


上半期は体調を崩していた時期が結構あって、意図的に地雷を踏まないようにしていたからこれ以外だと極めて酷いと感じた作品はあまり無かったかも。一応いくつか挙げてみると、極悪なCGを多用した『FROWERS フラワーズ』や、こだわりが空回りしている『シーサイドモーテル』、やはりセレブのお遊びにしか見えない『噂のモーガン夫妻』とか、せいぜいそのぐらいだ。これらだって壊滅的に酷い訳ではなく、それなりに見れる部分もあるので目くじら立てるほど怒る気もしない。まあそれはそれで珍作が少ないのは寂しいものだが。




上半期の総評としては、日本映画が意外に健闘していたってのが印象として強い。インディーズ作家の躍進はもちろん、『ヒーローショー』や『告白』、『アウトレイジ』など、大手出資の作品でさえ満足度の高い作品が目立っていた。これは素直に喜ぶべき現象であり、これからも続くべきなんだけど・・・それはまあ難しいかな?

そして相変わらずなのがTVシリーズ→映画化の経緯を踏む”THE MOVIE”一族のレベルの低さだ。TVと同じ感覚で演出してしまう社員演出家の程度の悪さはもうこの際いいとして、なんでここまで脚本が酷いのかが理解できない。誰も変だと思わないんだろうか?交渉人が交渉しなくても、番組の主旨は成り立つのだろうか?題名に”頭脳戦”なんて書くのはバカがする事だって判らないんだろうか?下半期も「踊る」を始めとしたTHE MOVIEがいくつか公開されるけど、やっぱ造ってる本人たちはヨシとしてやってるんだろうか?でなければやりきれないけど。

それと『サヨナライツカ』や『噂のモーガン夫妻』なんかを観てて、私は結構な貧乏人気質だなぁって事に今更ながら気が付いた。昔はそれでも客観的に楽しめたと思うのだが、ここ最近は主人公たちのあまりにお気楽な人生が腹立たしく見えてしまう事が多く、素直に楽しめない。単に羨ましさの裏返しなんだろうけどね。・・・映画の総評とは関係ない話になっちゃった。


とにかくアメリカ映画は全体的に低迷気味、日本映画は少し底上げされた感がある、韓国は少数精鋭、こんな感じかな?全体的には勢いや元気が無かったっていう印象があるので、下半期に期待したい。

映画/年間ベスト&ワースト コメント: 2 トラックバック: 0

2009年下半期・年間ベスト&ワースト

2010年01月09日 19:43

2009年上半期に続き、2009年下半期に鑑賞した映画のベスト&ワーストと、年間を通してのベスト&ワーストを選出したいと思います。下半期分は上半期同様洋画・邦画それぞれのベストを、ワーストはまとめて選出しています。年間のベスト&ワーストは・・・下半期の記事を書き終えたときに考えたいと思います。それと順位に関してですが、一応付けてはいますがあまりハッキリとしたモノではありません。いつまでも優柔不断なもので・・・。


まず洋画のベストから

1.『縞模様のパジャマの少年』 監督/脚本:マーク・ハーマン 主演:エイサ・バターフィールド

第二次世界大戦下のベルリンを舞台にした今までにない戦争映画。物語のラストは必然でありながらも、どうしようもないやり切れなさに打ちのめされてしまう傑作。あまりの衝撃に人に勧めるのをためらってしまうが。


2.『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』 監督:サーシャ・ガバシ 主演:リップス&ロブ(ANVIL)

80年代一度だけ脚光を浴びたヘビメタバンド”アンヴィル”の現在が描かれたドキュメンタリー。50を間近にして夢を諦めきれない男たちの姿は、哀愁という言葉では片付けられない何かを感じる事だろう。男泣きは必須である。


3.『ウェイブ』 監督/脚本:デニス・ガンゼル 主演:ユルゲン・フォーゲル

40年以上前のアメリカ・カリフォルニア州で”現代に独裁政治は成立するのか?”という実験を行った高校があった。その事件を基に現代のドイツを舞台に映画化したと云うトンデモ作品。あまりの説得力に怖くなってしまった。


4.『イングロリア・バスターズ』 監督/脚本:クエンティン・タランティーノ 主演:ブラット・ピット

タランティーノの映画愛が炸裂した究極の会話劇であり、彼にとっての戦争映画。自分の好きな様々な要素をてんこ盛りにしながらも、緊張感溢れるやりとりが観る者を圧倒する演出はさすがの手腕と云えるだろう。


5.『96時間』 監督:ピエール・モレル 主演:リーアム・ニーソン

いまひとつな作品を連発していたリュック・ベッソンプロデュース作品で、奇跡のホームランを放ったアクション映画。奇抜な事など何もしていないが、全編無駄の無いスタイリッシュな演出を貫いた稀有な作品だ。


その他次点となったのは中国系親子の関係を淡々と描いた『千年の祈り』や、ラジオ愛に溢れた『パイレーツ・ロック』、母親の愛情と狂気を同居させてしまった快作『母なる証明』、久々の西部劇『3時10分、決断のとき』などが挙がる。『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』はマイケル・ジャクソン本人がとてつもないだけであって、映画としての評価が難しいため外させて貰った。

それと今年はフルCGによる3Dアニメ躍進の年となったと云えるだろう。『ボルト』『モンスターVSエイリアン』など印象深い良作が多く排出された。ただ日本のフルCGアニメが出遅れてしまった感が強いのは残念だ。


続いて邦画のベスト

1.『女の子ものがたり』 監督/脚本:森岡利行 主演:深津絵里

西原理恵子の自伝的漫画を原作とした作品。私はいい歳の男だが大泣きしてしまった。ただ私がいいと思った要素は原作者の意図と反するモノだったようで、ちょっとヘコんでしまったり。でも好きな作品。


2.『ロボゲイシャ』 監督/脚本:井口昇 主演:木口亜矢

アングラ世界の革命児・井口昇監督による、超弩級エンタメ作品の快作。一般映画に比べれば無い無い尽くしの作品ながら、造り手の情熱が溢れ出て止まらないちょー楽しい作品である。こういうのを映画って云うんだよ!!


3.『色即ぜねれいしょん』 監督:田口トモロウ 主演:渡辺大和

みうらじゅん原作×田口トモロウ監督タッグの2作目。みうらじゅん氏の青春が色濃く反映されているため、年齢によっては全く響かない可能性のある作品だが、ひどく羨ましいと思えた青春賛歌にメロメロであった。


4.『サマーウォーズ』 監督:細田守 声の出演:神木隆之介

『時をかける少女』で一気に評価の高まった細田監督による最新作。コンピューター世界を題材とした”夏戦争”を描きながら、家族や親せきと云うアナログな人間ドラマとして昇華させてしまった珍しいアニメーション。


5.『幼獣マメシバ』 監督:亀井亨 主演:佐藤二朗

地方局が制作したドラマを映画化したという、少々変わった生い立ちの作品。オタクという人種を過大・過小評価していない主演の佐藤二朗の怪演が見所になっている。もちろん犬も可愛いけど。


他の次点となった作品は、ペ・ドゥナの淡い空気感が素晴らしい『空気人形』や、故・山田辰夫氏の遺作となった味わい深い人間ドラマ『代行のススメ』、偶然にも堺雅人が主演だった2作品『クヒオ大佐』『南極料理人』などがあった。またちょっと変わり種では、東映Vシネマの路線を受け継いで製作された『今日からヒットマン』が予想以上に面白く印象に残っている。

ちなみに高得点を付けた『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』は、何だか自分の中では比べる対象が違うような気がしたので外してしまった。面白かった事に変わりは無いけど。


最後はワースト。案の定全て邦画だった

1.『引出しの中のラブレター』 監督:三城真一 主演:常盤貴子

何ひとつ響く処がない無味無臭作品。全てが上っ面で片付けられてしまうため、人間味が全く無く薄気味悪さだけが残る。私とは別次元の価値観で生きているのだろうと思うようにして、サッサと存在自体忘れてしまおうっと。


2.『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』 監督:松岡錠司 主演:森本慎太郎

年末も最後にきてやらかしてしまった駄作。作品をカタチ取る要素の全てが薄っぺらく、造り手に全くやる気を感じられないのが凄い。アニメ「フランダースの犬」を愛している全ての人に誤るべきだろう。その自覚があればだが。


3.『仏陀再誕』 監督:石川タカ明 声の出演:子安武人

幸福の科学・大川隆法を称え崇める宗教要素だけで造られたアニメーション。劇場の雰囲気が只事では無かった事が何か印象残っている。ただ残念ながら私を洗脳する事はできなかったようだ。・・・え?要らないって?


4.『サイドウェイズ』 監督:チェリン・グラック 主演:小日向文世

アレクサンダー・ペイン監督の「サイドウェイ」を、フジテレビの連中が面白半分に日本人キャストでリメイクした作品。プロデューサー連中が映画製作にかこ付けて社員旅行を目論んだ作品でもある。・・・ウソだけど。


5.『MW-ムウ-』 監督:岩本仁志 主演:玉木宏

手塚治虫漫画の中でも禁断と云われた作品で、映画化は不可能だろうと云われ続けていたが、映画化する際困難となる要素を全て見無かった事にしたため映画化できた作品。まあつまり映画化した意味が無いって事だけど。


相変わらずポンコツ映画は邦画ばかりだった。他にはもういちいち批判するのもめんどくさい『20世紀少年 ぼくらの旗』や、佐々木希が無駄脱ぎした『天使の恋』、チケットを買うときタイトルを言うのが恥ずかしい『僕の初恋をキミに捧ぐ』、悪い意味でTHE MOVIEの権威を守った『ごくせん THE MOVIE』などが挙がるだろうか。

まあ他にも単純にツマラナイ作品はいっぱいある(その大半は邦画だけど)んだけど、キリがないので止めますわ。ただ個人的には上半期より面白い作品が多かったかな?という印象はある。邦画でも意外に佳作が多く、ベストの選出もわりとスンナリ決める事ができた。


やっとここまで来ました。ここで年間を通してのベスト&ワーストを簡単にではありますが選出したいと思います。


2009年・年間ベスト10

 1.『レスラー』 監督:ダーレン・アロノフスキー 主演:ミッキー・ローク

 2.『縞模様のパジャマの少年』 監督/脚本:マーク・ハーマン 主演:エイサ・バターフィールド

 3.『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』 監督:サーシャ・ガバシ 主演:リップス&ロブ(ANVIL)

 4.『グラン・トリノ』 監督/主演:クリント・イーストウッド

 5.『ウェイブ』 監督/脚本:デニス・ガンゼル

 6.『愛のむきだし』 監督/脚本:園子温 主演:西島隆弘/満島ひかり

 7.『チェイサー』 監督:ナ・ホンジン 主演:キム・ユンソク

 8.『イングロリア・バスターズ』 監督/脚本:クエンティン・タランティーノ 主演:ブラット・ピット

 9・『女の子ものがたり』 監督/脚本:森岡利行 主演:深津絵里

10.『ロルナの祈り』 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ 主演:アルタ・ドブロシ


いや~、10位が悩みましたね。順位的には他の作品が来ると思うんだけど、どうしても外したくなかった気がしたので10位にランクインさせました。他はまあアッサリ決まりましたが。

やっぱ2009年は「レスラー」かなぁ。エンディング曲が終わった後しばらく席を立てなかったですからねェ(まあ泣きじゃくっていたからでもありますが)。ミッキー・ローク自身と重ね合わせたからよけいに入り込んでしまったのかもしれないけど、それでもあの大バカ野郎の姿はいつまでも胸に焼き付いていて消える事はないでしょう。


では最後に年間通してのワーストを選出します(大方の予想通り邦画だけですが)。


2009年・年間ワースト10

 1.『引出しの中のラブレター』 監督:三城真一 主演:常盤貴子

 2.『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』 監督:松岡錠司 主演:森本慎太郎

 3.『余命1ヶ月の花嫁』 監督:廣木隆一 主演:榮倉奈々

 4.『仏陀再誕』 監督:石川タカ明 声の出演:子安武人

 5.『真夏のオリオン』 監督:篠原哲雄 主演:玉木宏

 6.『サイドウェイズ』 監督:チェリン・グラック 主演:小日向文世

 7.『GOEMON』 監督:紀里谷和明 主演:江口洋介

 8.『ROOKIES-卒業-』 監督:平川雄一朗 主演:佐藤隆太

 9.『MW-ムウ-』 監督:岩本仁志 主演:玉木宏

10.『20世紀少年 僕らの旗』(というかシリーズまとめて)監督:堤幸彦 主演:唐沢寿明


何だか上半期と下半期をただ並べ替えただけみたいな感じになってしまいましたが、う~んこんな処ですかね。ムカっ腹が立った事はレビューに書いてあるのでいいとして、とりあえず「20世紀少年」が終わってくれた事が嬉しかったですよ。散々引っ張るだけ引っ張っておいてアレですからねェ・・・。まあ後の順位は順当と云った処でしょうか。

総評としては、TV屋の造る映画がツマラナイのは今年も相変わらずなのですが、なんだかよく判らないチカラが働いて映画が造られているような気がする事多く、ちょっと恐怖を感じています。全くの畑違いが財力にモノを云わせて造ってしまうなど、”表現をする”という映画本来の姿が無いに等しい作品がポロポロと出てきているように感じるんですよ。以前はTV屋の連中にそれを感じていたのですが、最近はまた別の勢力が拡大しているんじゃないでしょうか?

まあそれでも造られる作品が面白いのであればいいのですが、見事に駄作揃いなんですよねェ。ネタになるっていう考え方もできますが、あまりにそればっかりでは映画を愛し、精魂込めて映画制作に携わっている人に失礼だと思うんですよ。・・・そういう業界である事は十分承知してはいるんですけどね。でもやっぱりね。

ただそんな中でも素晴らしい作品が生み出される事もまた事実です。打率は低いですが、全く当たらないって訳ではありません。だからこそ理屈っぽい私なんかでも理屈を通り越して映画を見続けているのだと思っています。っていうか思いたい!が本音かもしれませんが。


以上で2009年・映画レビューの総括を終わりたいと思います。・・・あー疲れた!

映画/年間ベスト&ワースト コメント: 0 トラックバック: 0

2009年上半期ベスト&ワースト

2009年07月02日 16:51

2009年上半期に鑑賞した映画のベストとワーストを書き出したいと思います。ベストは洋画・邦画それぞれに、ワーストはまとめて(邦画ばかりなので)掲載。ただ順位は不等というかあまりハッキリ決めている訳ではない事を云っておきます。・・・優柔不断なので。


まず洋画のベストから

1.『レスラー』 監督:ダーレン・アロノフスキー 主演:ミッキー・ローク

ミッキー・ロークの人生そのものが描かれてしまう傑作。ランディ・ザ・ラムは世間的に見ればおおバカ野郎だが、その不器用にしか生きられない生き様には男泣き必須である。


2.『グラン・トリノ』 監督/主演:クリント・イーストウッド

イーストウッド最後の主演作とされる作品。ベタな展開・演出ではあるが、頑固じじいの潔い幕引きには涙が溢れること必須である。これも傑作。


3.『チェイサー』 監督:ナ・ホンジン 主演:キム・ユンソク

実在の事件を基にしているが、大胆に脚色した一級品スリラー。泥臭い追いかけっこが永遠続くだけで、救いの無さ過ぎる展開には驚いてしまうが、小さな希望に何とか救われる、という作品。


4.『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』 監督:ギレルモ・デル・トロ 主演:ロン・バールマン

アメコミが原作の『ヘルボーイ』映画化第二弾。デル・トロ監督のオタク具合が素晴らしく発揮された作品。だがオタク道に偏る事無く、エンタテインメント作品としても抜群の面白さを誇る。最高です。


5.『ロルナの祈り』 監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ 主演:アルタ・ドブロシ

ベルギー発の、かなり地味な人間ドラマ。セリフ等による人物描写がほとんど無く、ほんの些細なセリフや表情で読み取るタイプの作品なので一般受けはしないだろう。私は好きだけど。


次点として、『ミルク』 『シリアの花嫁』 『フロスト×ニクソン』 『レボリューショナリー・ロード』などがある。『チェンジリング』は素晴らしい作品だが、イーストウッド作品が2作になるのであえて避けた。他には評価こそ低くしたが、『チョコレートファイター』は香港映画小僧には必見の作品だ。

今年も洋画は豊作だったと云える。興行収入では邦画が優っているようだが、質の高さは比べ物にならないほど差がある。もっと自覚して欲しいものだ。・・・誰が?


次は邦画のベスト


1.『愛のむきだし』 監督:園子温 主演:西島隆弘/満島ひかり

4時間という上映時間を全く感じさせない愛のジェットコースタームービー。メチャクチャな設定と展開だが、その圧倒的パワーに何もいえなくなる。満島ひかりは日本映画界を救う天使になるだろう。


2.『大阪ハムレット』 監督:光石富士朗 主演:松坂慶子

「少年アシベ」でおなじみ森下裕美原作の同名漫画の映画化。短編である原作を大胆に構成し直しているが、稀に見る上手くいった好例の作品。大阪人の底力を思い知る。


3.『築城せよ!』 監督:古波津陽 主演:片岡愛之助

”ダンボールで城を造る”という突飛なアイデアを、ぶっ飛んだ設定で物語にしてしまった快作。全く予算の無い状況で造られているが、映画屋本来の造り手の喜びがこれでもかと詰まった作品。


4.『ガマの油』 監督/主演:役所広司

役所広司が満を持して挑んだ初監督作品。役所自身の優しさが詰まった作品で、ちょっと変わった作風だが愛すべき作品といったところか。サブロー役の澤屋敷純一がいい味を出している。


5.『クローズZEROⅡ』 監督:三池崇史 主演:小栗旬

高橋ヒロシ原作漫画「クローズ」映画化第二弾。徹底した”喧嘩”描写が素晴らしい。一作目に比べるとより原作に近いハードな造りになっている。もちろん品川の『ドロップ』とは雲泥の差がある。


次点は気持ち悪いのが癖になる『ヤッターマン』とか、警察内部の不正を暴いた『ポチの告白』とか、最近では『重力ピエロ』とかくらいかなぁ?良質な作品はそこそこあるんだけど、インパクトに欠けるんだよねぇ。やはり邦画は今年も不作だったと云わざるを得ないかな?

それはワーストを見て貰えれば一目瞭然なんだけど。


それでは洋画・邦画合わせたワーストを(全部邦画だけどね)


1.『余命1ヶ月の花嫁』 監督:廣木隆一 主演:榮倉奈々

ドキュメント番組を基にした実話を映画化した作品。お金儲け以外にこの作品を造る意義は全く見出せない。伝えたい事はドキュメント番組で言い尽くしているからだ。・・・大ヒットしちゃうけど。


2.『GOEMON』 監督:紀里谷和明 主演:江口洋介

映画をちっとも愛していない紀里谷お坊ちゃんによる、無国籍でCGだらけの説教映画。”絶景”など欠片も無い異空間でチャンバラごっこが繰り広げられる。紀里谷は木村大作氏に謝った方がいい。


3.『真夏のオリオン』 監督:篠原哲雄 主演:玉木宏

アニメ大好き福井晴敏原案による、「マクロス 愛・おぼえていますか」をパクった作品。戦争映画として造られたとは思えないファンタジーっぶりに、誰もが腰砕けになってしまうだろう。


4.『劇場版 カンナさん大成功です!』 監督:井上晃一 主演:山田優

韓国版も造られている漫画原作の映画化。編集を兼ねた監督による自己満足な鬱陶しい映像が眼を悪くする作品。またカンナの過去を土足で踏み潰す無神経さに腹が立つ。・・・考えすぎか?


5.『ROOKIES-卒業-』 監督:平川雄一朗 主演:佐藤隆太

TVシリーズを経て映画化された漫画原作の作品。完全にTVの続きから始まるため、ファン以外は全く楽しめない。それなのに何故映画化したのかが疑問。・・・・・・あー、またかTBS。


他には唯一外国映画の『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』や、元の作品に失礼なリメイクの『ヘブンズ・ドア』、完結してないので外した『20世紀少年 第2章』などがある。評価を低くした『おっぱいバレー』は、監督の心意気が気に食わなかっただけで、作品は普通のレベルで観れるため外す事に。あと私は観なかったが、『レイン・フォール/雨の牙』はかなりの怪作らしい。別の意味で観ておきたかった。




それにしてもワーストに選ばれたほとんどの作品が日本映画になったのは見事と言う他無い。まあヒドイ海外映画は始めから日本公開されない可能性もあるが、それだけが理由では無い。

まずはTV局による積極的な映画産業進出だ。特に目に余るのがTBS&東宝のコラボだ。2社とも興行収入にしか興味が無く、手前のコンテンツをお金を掛けずにヒットさせるやり口が多い。無理にいい言い方をするなら頭のいいやり方とも云えるが、経営的側面しか見えないのは哀しすぎる。

それに付随して起こってしまうのが、映画に対する知識・経験・愛が足りない製作者を生んでしまう事だ。別に私だってそこまで映画を神聖化するつもりは無いし、映画は基本娯楽なのも十分判っている。だが映画とTVドラマが明らかに違う事を造り手が全く認識していない。造り方や造る意味はもちろんの事、そもそも媒体が全く違うのだ。だが今はTV局による映画進出の波が止められず、その境目がほとんど無くなってしまっている。

そして残念な事に今は観客がそっちを求めてしまう。しかもその一番の理由が”身近だから””気軽だから”という何ともつまらない理由なのだ。(異論はあるだろうが、観る映画を選ぶ判断基準になっている人が多いのはもう間違いないだろう)

観客が映画に何を求めるのか、その根本の部分がもう既に崩壊しているのかもしれない。「TVの続きが映画で公開されるから観に行こう」でも、映画を観に行く十分な理由と動機になるのだ、今は。それにそんな事他人にとやかく言われる筋合いは無く、個人の自由でしかない。私の書いている記事も、単に私の戯言だ。それでも私は映画を観るのが本当に好きだからこんな戯言も言いたくなる。それほど今の日本映画界は危ういと思っている。


2009年上半期のベストとワーストを軽く書き出すつもりがダラダラと愚痴ばっかで申し訳ないです。ただこうしてまとめると(自己満足ながら)観てきた映画を整理できるので良かったです。いままでも年末などに簡単にはベストの選出なんかもしていたけど、今回初めてキチンとまとめる事ができました。

これからは下半期としてカテゴリを設け、続いて記事を書いていきたいと思います。手抜きな記事なのは変わりませんけどね、ダハハハハ(汗。

映画/年間ベスト&ワースト コメント: 0 トラックバック: 1

ホーム

黒ねこ時計 くろック D03

カレンダー+最終更新日

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

雑記(気になった事など)

【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
        「あの夏いちばん静かな海」
好きな戦隊:「タイムレンジャー」
        「メガレンジャー」
好きなライダー:「クウガ」「電王」
※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

カテゴリ

未分類 (16)
映画的雑記 (67)
特撮・玩具的雑記 (28)
雑多雑記 (24)
映画/年間ベスト&ワースト (4)
映画/洋画/2012 (1)
映画/邦画/2012 (1)
映画/洋画/2011 (15)
映画/邦画/2011 (6)
映画/洋画/2010下半期 (47)
映画/邦画/2010下半期 (52)
映画/洋画/2010上半期 (47)
映画/邦画/2010上半期 (49)
映画/洋画/2009下半期 (59)
映画/邦画/2009下半期 (55)
映画/洋画/2009上半期 (61)
映画/邦画/2009上半期 (46)
ミニプラについて (3)
ミニプラ/特命戦隊ゴーバスターズ (6)
ミニプラ/海賊戦隊ゴーカイジャー (6)
ミニプラ/天装戦隊ゴセイジャー (16)
ミニプラ/侍戦隊シンケンジャー (11)
ミニプラ/炎神戦隊ゴーオンジャー (6)
ミニプラ/獣拳戦隊ゲキレンジャー (9)
ミニプラ/轟轟戦隊ボウケンジャー (6)
ミニプラ/魔法戦隊マジレンジャー (5)
ミニプラ/特捜戦隊デカレンジャー (10)
ミニプラ/爆竜戦隊アバレンジャー (7)
ミニプラ/忍風戦隊ハリケンジャー (5)
ミニプラ/百獣戦隊ガオレンジャー (4)
ミニプラ/未来戦隊タイムレンジャー (3)
ミニプラ/救急戦隊ゴーゴーファイブ (4)
ミニプラ/星獣戦隊ギンガマン (3)
ミニプラ/電磁戦隊メガレンジャー (3)
ミニプラ/激走戦隊カーレンジャー (2)
ミニプラ/超力戦隊オーレンジャー (2)
ミニプラ/忍者戦隊カクレンジャー (1)
ミニプラ/五星戦隊ダイレンジャー (2)
ミニプラ/恐竜戦隊ジュウレンジャー (1)
ミニプラ/鳥人戦隊ジェットマン (1)
ミニプラ/地球戦隊ファイブマン (3)
ミニプラ/超獣戦隊ライブマン (2)
ミニプラ系玩具/1987年度以前 (2)
DX版玩具/戦隊シリーズ (31)
玩具/レジェンド戦隊シリーズ (7)
森永/戦隊メカセレクション (11)
ミニ合体/戦隊ロボシリーズ (14)
カプセル合体/戦隊シリーズ (15)
仮面ライダーウィザード/玩具 (7)
仮面ライダーフォーゼ/玩具 (20)
仮面ライダーオーズ/玩具 (23)
仮面ライダー/玩具 (21)
ウルトラマン/玩具 (12)
ムゲンバイン/食玩 (18)
もじバケる/食玩 (7)
カバヤ/食玩 (21)
リボルテック (20)
スーパーロボット超合金 (8)
勇者シリーズ/玩具 (3)
やまと/群雄シリーズ (9)
その他の玩具 (27)

FC2カウンター

検索フォーム

リンクバナー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。