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衝撃の笑劇作品、『冷たい熱帯魚』

2011年01月31日 18:06

『愛のむきだし』の園子温監督の最新作品、『冷たい熱帯魚』を鑑賞。

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噂にたがわぬトンデモ作品だった。2011年初っ端で言う事じゃあないかもしれないが、おそらく年間ベストに入るであろう作品だ。ただし気軽にオススメできるほどヤワな作品じゃないので、鑑賞の際は覚悟して欲しい。

色々と語りたい事はあるが、感想自体はそのうちYahooに投稿するつもりなのでとりあえず置いとくとして、何よりも凄まじかったのが村田役を演じたでんでんの存在だろう(写真の人)。

本作は人の本能をこれでもかとむきだしにするので、本来なら正面切って向き合いうのが辛い筈なんだけど、でんでん演じる村田の愛嬌すら感じる怪演が”喜劇”へと変革させてしまう。見るに堪えない残虐描写を笑って観られる事など生まれて初めての経験であり、作品のテーマこそ”崩壊”ながら、ひと回りして爽快となったカタルシスと共に自分の心の闇までも浄化していくようで、観終わった後はしばらく放心状態になってしまった。

TVでは絶対に放映できない、映画だからこそ成し得た表現が山盛りなので、先にも書いたが決して気軽にオススメできる作品ではない。人が如何に欲深く、醜く、滑稽で、愚かなのか、それを全身で体現できる筈だ。


・・・トラウマ覚悟でオススメ?

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特撮雑記で映画雑記

2011年01月24日 23:07

「天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピック ON 銀幕」を鑑賞 ※左は先日届いた劇場版「W」

       551.jpg

ここ数年、急場しのぎな出来事がキッカケに劇場用として公開されるようになった戦隊のVSシリーズだが、あくまで個人的な感想になるけど今回、これまでのシリーズの中で一番面白かった(断言)。


正直、ゴセイジャー絡みの作品なのでそれほど期待はしていなかった(そういう人、多くないだろうか?)が、予想を大きく上回る楽しさを兼ね備えた、ほぼ隙の見当たらない娯楽痛快作品になっていた。もちろん戦隊、それもVSシリーズである事を考慮しての大人目線での評価だが。

ゴセイジャーを見ていて気になると云えば、彼ら全員のキャラクターが今ひとつフワッとしていて定まっていない事が挙げられる。根拠のない自信や、行き当たりバッタリな行動が物語性をも崩してしまい、TVシリーズでも何となく話が終結してしまう場合が多い。軽はずみな奇跡の多用もその効果を増大してしまう。

だが本作は、侍という堅苦しい世界観の基作られた、徹底したキャラ設定が成されたシンケンジャーの連中を対峙させる事で、ゴセイジャーの連中のフワッとしたキャラが実に巧く作用してくる。これは前年の「シンケンジャーVSゴーオンジャー」にも云えた現象で、ノリだけで突っ切るゴーオンジャーの連中とシンケンジャーの愛称が正反対がゆえに物語が面白く転がっていくのだ(脚本が小林靖子女史だったってのも大きいが)。

しかも、これまでに語られてきたゴセイジャー的要素の範疇は決して超えず、見聞きした行動やセリフが実に効果的に使われているのだからよけいに驚く。要するに、やり様によってはゴセイジャーであってもまだまだ面白くする事ができると証明された訳だ。今回脚本を手掛けた下山健人氏は、シンケンジャー、ゴセイジャーの両作品とも手掛けていたと思うが、そのどちらとも熟知した上でいい仕事をしてくれた、という事になる。

それとアクションが今まで以上に洗礼され、非常に見応えがあった。見せ場・山場共に今まで以上に盛り込まれており、スピード感がありながらも”見やすい”のだ。剣技でのアクションが多いため大人仕様という見方もあるが、TVシリーズ同様アクション監督を務めた石垣広文氏が、これまで以上に手腕を発揮していた。

とにかく全ての要素が上手い具合に噛み合っていて、あっという間に終わったという印象が強い。VSシリーズを見続けているからこそのオマケやお約束もちゃんとあったりと、褒めすぎかもしれないがほぼ何の不満も無かったように思う。当然両作品を観て(把握して)いないと楽しめない作品ではあるんだけど、それを踏まえた上で傑作と云ってしまおう。作品に対し迷いなく入っていけるのなら大々的にオススメだ。



もう1本、昨年の劇場版「仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ」のコレクターズパックが先日届いたので4度目となる鑑賞。いや~、またまた泣いてしまいました。「号泣メ~ン!」って感じ。


本作を観るにつけ、改めて「仮面ライダーW」における妥協のない作り手魂を感じさせてくれる。平成ライダーが新しい時代を築いてきた事には何の疑問もないが、ここ最近特に乱発気味な作品製作には、嬉しい反面、商業的要素が強過ぎてしまい純粋に作品を楽しめなくなってきてもいた。それと共に、肥大し過ぎる謎や丁寧さに欠ける無理な製作体制など、作り手のいち作品に対する愛情にはどうしても疑問が沸き上がってしまう。

だが、作り手の都合に溺れる事なく作られた新体制の「W」によって、そういった不満は一新される事になる。”ヒーロー”、そして”仮面ライダー”の存在意義に立ち返り、改めて向き合った「W」という作品によって、全てを受け入れ、全てを新しく創り上げる事に成功した。発表される作品が常に高評価を得ているのがその証だ。

劇場版が常に高評価なのは、なにも吉川晃司がカッコイイからだけではない。TVシリーズとしての軸を最低限に抑え、作品単体だけでも楽しめるよう考慮し、作っているからだ。中途半端な最終回や世界観の定まっていないエピソードなど、そんなのは会社の都合ばかりが先行し作られた物語であって、商業的サービス精神以外のモノは残念ながら感じられない。全てがそうだとは云わないが、作り手の持つ根本的な志が違うのだろう。

「オーズ」も脚本が小林靖子女史だから面白いんだけど、実績のあるスタッフによって固められた製作陣という事もあってか、何となくだが以前の体質に戻りつつある感じだ。実際は終わってみての評価になるが、その予兆がMOVIE大戦によって表面化したのは紛れもない事実であり、せっかくのリセットが台無しな気がするのも確かだ。



・・・なんかよく判らない話になってきたが、とりあえずVシネの「W RETURNS」が楽しみだなぁって事で。

特撮・玩具的雑記 コメント: 4 トラックバック: 0

2010年下半期・年間ベスト&ワースト

2011年01月21日 19:01

遅くなってしまいましたが、2010年下半期のベスト&ワーストと、2010年年間を通してのベスト&ワーストを選出したいと思います。下半期はそれぞれのベスト5、年間はそれぞれのベスト10を書き出します。毎度書きますが、順位に関してはあまり厳密な理由付けはありません、フワッと付けとりますので。


ちなみに2010年は合計で195本観ていました。・・・観てない時期もあったんだけど、意外に本数いったな。



ではまず洋画の下半期ベストから


1.『インセプション』  監督/脚本:クリストファー・ノーラン 主演:レオナルド・ディカプリオ

小難し屁理屈を、一級のエンタメ要素にすり替え表現してしまった奇跡的とも云える傑作。「ダークナイト」によって地位と名誉を手に入れたノーラン監督の捨て身のオリジナリティが素晴らしい。・・・計算づくかな?

2.『義兄弟 SECRET REUNION』 監督/脚本:チャン・フン 主演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン

決して楽観視してはならない題材ながら、それをモノともせずエンタメ作品として仕上げた手腕が見事な痛快娯楽作品。本作が長編2作目なのは信じがたいが、新鋭チャン・フン監督の今後には大いに期待したい。

3.『キック・アス』 監督/脚本:マシュー・ヴォーン 主演:アーロン・ジョンソン

ヒーローをオタク視点で現実化してしまった、ある意味夢みたいな作品。厳しい面も含めてだけど。ただ主役はどう見たってヒット・ガールであり、彼女の存在なくしてあの度を越した爽快感は得られないだろう。

4.『トイストーリー3』 監督:リー・アンクリッチ 声の出演:トム・ハンクス

誰しも体験するおもちゃとの決別を、全ての人たちの視点で描き切った揺るぎない完成度を誇るアニメーション。文句の付けどころが無いのが不満になるという、捻くれた自分の見方が恨めしい作品であった。

5.『[リミット]』 製作/監督:ロドリゴ・コルテス 主演:ライアン・レイノルズ

映画としてはまだまだ未熟な部分が多いんだけど、アイデアと心意気に惚れ込んだインディーズ作品。特にああいった結末にしたのは英断で、だからこそ自分には響いてきた。今後はテクニックを身に付け頑張って欲しい。

次点としては作品としての完成度が非常に高い『瞳の奥の秘密』『ヒックとドラゴン』、当たりの多かったジャッキー作品として『ラスト・ソルジャー』『ベスト・キッド』、ヨーロッパ系では『君を想って海をゆく』『リトル・ランボーズ』『100歳の少年と12通の手紙』『プチ・ニコラ』など、ジャンルを選ばない人間ドラマとして見応えのある作品が多かったように思う。

下半期の洋画は全体的に良作が多かった。ハリウッド大作でオリジナル作品ある『インセプション』の1位は、正直稀な現象ではあるんだけど、リメイクやアニメであっても完成度の高い作品が割に多く、不満も少なかった。ヨーロッパ系の作品も、派手さはないものの人間味溢れる秀作が結構公開され嬉しい限りだ。ただシリーズものにおける先細り感がちょっと目立っていたかなぁ・・・もう終わってしまうシリーズばかりだけど。




続いて邦画の下半期ベスト


1.『さんかく』 監督/脚本/照明:吉田恵輔 主演:高岡蒼甫

日常の情景描写のみで語る痛い三角関係を描いた傑作ドラマ。自然極まりない振る舞いによって、キャラクターの心情が手に取るよう思える演出法が素晴らしく、あまりの現実感にどうしようもなく感情移入してしまう。

2.『乱暴と待機』 監督/脚本:冨永昌敬 主演:浅野忠信、美波

リアルとは程遠い、滑稽でくだらなく楽しい人間関係が描かれるアッパー作品。どうでもいいやり取りの中に、実は人の本質が見え隠れするのは私の勘違いかもしれないが、そんなのどうでもよくなる作品でもあった。

3.『最後の忠臣蔵』 監督:杉田成道 主演:役所広司

侍としての是非を問うたかもしれない傑作時代劇。人の強さと優しさをここまで丁寧に描いた時代劇、そうはないだろう。主演の役所広司の人間性溢れる演技に改めて驚愕しながら、終始ずっと泣いておりました。

4.『十三人の刺客』 監督:三池崇史 主演:役所広司

同じ役所広司主演でも作品性は真逆の徹底した暴力映画。三池監督の趣味の悪さが追い風にもなっているのだが、あれこれ考えずエンタメに徹したのが却ってよかったのだろう。・・・いや、だから趣味は悪いよ?

5.『キャタピラー』 監督:若松孝二 主演:寺島しのぶ

戦争の愚かさを、限りなく陳腐で滑稽に描き出す反戦映画。低予算を逆手に取った学芸会的ノリが、よけいに戦争の残酷さを浮き彫りにする・・・ような気がする。・・・そういう意図で作ったんではないだろうけど。

他には常に殿堂入り作品を作りだす原恵一監督の『カラフル』、うがった見方をしなくて済む難病モノ『おにいちゃんのハナビ』、アニメの醍醐味を再確認できる『おまえうまそうだな』、夢と現実の痛さ・切なさが交差する『SRサイタマノラッパー2~女子ラッパー☆傷だらけのライム~』、純粋なエンタメ作品としては最高補『ちょんまげぷりん』などが印象深い秀作。

特撮ではやはり『劇場版仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』が群を抜いて完成度が高かった。それと意外なホープだったのが『君に届け』で、あれほど学園の恋愛モノで泣いたのは初めてかもしれない。いまTVシリーズを追いかけ中なくらいハマってしまった。

相変わらず全体的なレベルは低いし、ク〇みたいな作品は基本日本映画ばかりなのに変りはないんだけど、面白いと思える作品も大手・インディーズに限らずバランスよく作られていたのが印象的だった。大方の予想通りつまらない作品が多いと共に、予想を裏切る傑作に巡り合えるのも日本映画の方が多いのだ。そういう意味では当たりこそ少ないものの、観てナンボの作品が隠れている場合もある訳で・・・結局は観るしかないんだろうねェ。




では続いて洋画・邦画含めてのワーストを


1.『マザーウォーター』 監督:松本佳奈 主演:小林聡美

生きている人が誰ひとり登場しないゾンビ映画。いや、ゾンビの方がまだ愛嬌があると思える薄気味悪い作品。こんなのばっか出演してる小林聡美ともたいまさこの価値が、年々落ちていくような気がするのは気のせいか。

2.『ゴースト もう一度抱きしめたい』 監督:大谷太郎 主演:松嶋菜々子

映画なんてこれっぽちも興味のない企業のおエライさんが企画した、一昔前の話題作を土足で踏み荒らす所業の一旦。・・・知らんけど。ってかもしこれが本気っていうのなら、それはそれで大問題だと思うのだが。

3.『ハナミズキ』 監督:土井裕泰 主演:新垣結衣

10年経っても何も変わりはしない愚かさを描いた陳腐な純愛ラブストーリー・・・を模倣した駄作。作り手たちにおける、扱う題材に対して何のアプローチもしない徹底さはむしろ潔く、バカを通り越して呆れてしまう。

4.『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』 監督:中田秀夫  主演:藤原竜也

ミステリーとして成り立っていない、ホリプロ所属タレント総出演の恐くないサスペンス映画。ホリプロの女優陣の名前にひらがなが多いのは偶然か?中田監督はこんなんで大丈夫なのか!?って疑問はいっぱいあるけど。

5.『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』 監督:本広克行 主演:織田裕二

金儲けに作った踊るシリーズ最新作。監督・脚本・プロデューサーの3バカトリオがいつまでも君臨してるため、作品としての質が向上する筈はなく、ってかそれにすら気が付かない無限スパイラルに陥ったシリーズ。

あとは、作り手のドヤ顔しか浮かばない『私の優しくない先輩』、人力スペクタクル『THE LAST MESSAGE 海猿』、最後まで男女逆移転の意味を見い出せない『大奥』、見た目だけの『SP野望篇』、都合のいい妄想だけを立体化させた『ライトノベルの楽しい書き方』などが挙げられる。洋画だと作品の出来云々というより、価値観の違いに引っ掛かった『ザ・コーヴ』が思い浮かぶ。・・・まあ結局はほぼ全てが邦画となったが。




さてさて、最後は年間のベスト&ワースト10ですね。サクッと書き並べてみますか




2010年/年間ベスト10

  1.『息もできない』 製作/監督/製作/主演:ヤン・イクチュン

  2.『インセプション』 監督/脚本:クリストファー・ノーラン 主演:レオナルド・ディカプリオ

  3.『第9地区』 監督/脚本:ニール・ブロムカンプ 主演:シャールト・コプリー

  4.『彼と私の漂流日記』 監督/脚本:イ・ヘジュン 主演:チョン・ジェヨン

  5.『さんかく』 監督/脚本/照明:吉田恵輔 主演:高岡蒼甫  

  6.『義兄弟 SECRET REUNION』 監督/脚本:チャン・フン 主演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン

  7.『乱暴と待機』 監督/脚本:冨永昌敬 主演:浅野忠信、美波

  8.『キック・アス』 監督/脚本:マシュー・ヴォーン 主演:アーロン・ジョンソン

  9・『最後の忠臣蔵』 監督:杉田成道 主演:役所広司

 10.『トイストーリー3』 監督:リー・アンクリッチ 声の出演:トム・ハンクス  


いつもそうだけど、10位辺りを悩んでしまう。『十三人の刺客』にしようかとも思ったが、アニメーションを選んでいなかったので『トイストーリー3』にした(『ヒックとドラゴン』も同等に素晴らしいが)。

2010年は何といっても『息もできない』に尽きる。観た瞬間ダントツ1位だと感じたがその通りになった。なので、自分の中ではちょっと別格扱いかも。とはいえ2010年は結構な秀作揃いで、選考するのに悩んだのも確か。個人の趣向が反映されているので偏った選考になってしまっているが、ここに名前が登場していない作品の中にも普通に面白い作品はまだまだあるのだ。・・・う~ん嬉しい悲鳴なんだろうね、それって。



続いて年間のワースト10を。




2010年/年間ワースト10

  1.『マザーウォーター』 監督:松本佳奈 主演:小林聡美

  2.『ゴースト もう一度抱きしめたい』 監督:大谷太郎 主演:松嶋菜々子

  3.『サヨナライツカ』 監督/脚本:イ・ジェハン 主演:中山美穂

  4.『ハナミズキ』 監督:土井裕泰 主演:新垣結衣

  5.『交渉人 THE MOVIE 高度10,000mの頭脳線』 監督:松田秀和 主演:米倉涼子

  6.『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』  監督:中田秀夫 主演:藤原竜也

  7.『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』 監督:本広克行 主演:織田裕二

  8.『瞬 またたき』 監督/脚本:礒村一路 主演:北川景子

  9.『ライトノベルの楽しい書き方』 監督:大森研一 主演:須藤茉麻

 10.『ザ・コーヴ』 監督:ルイ・シホヨス 主演:リック・オリバー


まあ大体は上半期と下半期の組み換えになりましたね、いつもそうだけど。ちなみにワーストもベストに続き1位はダントツで『マザーウォーター』だった。っていうか、ここ近年でも一番嫌いな作品なんでね、何の迷いもなく1位って事で。ただ正直言うと、これでも地雷を踏まないようしていた(特に上半期は)ので、実際はまだまだあるんだろうねェ、観ていないだけで。・・・別にあえて観ようとは思わないが。



2010年の総評

洋画・邦画含め、昨年に比べて満足できる作品が数多かったように思う。くだらない作品との出会いがあるのも確かだが、それ以上に予想を上回って感激する作品との出会いが多かった。これは素直に喜ばしい現象であると共に、その機会に恵まれた事には心から感謝したい。

じゃあ業界が成熟してきたのか?と云えば別にそんな事はなく、特に日本映画界は未だ衰退の一途を辿っている。タイアップが無ければマトモな制作費が発生しないとか、TVのディレクターが当たり前に映画の監督を務めたりとか、ドラマの続きとか、ネームバリュー頼りの配役とか。それが功を奏し、成功する例もあると云えばあるよ、確かに。でもいくらなんでも確率が低すぎる。逆に云えば、あれだけTV屋主体で映画を作っているのだから、いい加減もうちょっと成長するなり成熟してもいいんじゃね?って思うけど。

ホントはそれでもヒットしちゃう現実こそが一番の問題なんだけどね。日本人的な趣向を上手く利用した戦略だから、それを改善するってのは非常に困難だけど、何かねェ・・・釈然とはしない、情けないけど。

日本人って、安心を求めるでしょ?大ざっぱに言えば何に対しても。だから例えその人にとって傑作な作品であっても、よほど信頼できる推薦者でも現れない限りこれまでに聞いた事のある、知った人の出演してる作品を選んでしまう。もしそれが自分の見ていたドラマの続きであれば尚更で、年間それほど映画を観に行かない人が選ぶ映画の大半はそういった理由で選ばれちゃう、どうしても。しかも、そういう人たちが満足してしまう以上にTV屋主体の作品は作られているのだから、おこぼれなんか期待はできない。

要は、自分なんかが好き好んで観てる作品に群がってくる絶対数には変化が無い、もしくは緩やかとはいえ減ってきてしまっているのが現状って事だ。今年(2011年)になってから、都内に構えるそこそこ歴史のある単館の上映館が相次いで閉鎖してしまうのは、そんな絶対数が減ってきているから・・・という見方がまんざら間違ってはいない証拠だろう。今後、良作との出会いが減ってしまうのは哀しいかな必然で、興行収入だけは好調で活気ある日本映画界であっても、自分にとっては本格的に冬の時代を迎える事になりそうだ。


・・・もうちょっと厳選してみようかな?来年こそ。

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最後の忠臣蔵 10年日本

2011年01月21日 00:07

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2010年12月31日MOVIX三郷にて鑑賞

評価★★★★★★★★★☆

監督:杉田成道

脚本:田中陽造

出演:役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ、山本耕史、風吹ジュン、伊武雅刀、笈田ヨシ、安田成美、片岡仁左衛門[15代目]、柴俊夫、佐川満男、田中邦衛ほか

原作:池宮彰一郎

配給:ワーナー・ブラザーズ映画

上映時間:133分

「四十七人の刺客」などで知られる池宮彰一郎原作による同名小説を、「北の国から」シリーズの演出を手掛けてきた杉田成道が監督を務め映画化。主演は「十三人の刺客」に続き時代劇主演となった役所広司。
赤穂浪士による吉良邸討ち入りから16年後、主君・大石内蔵助によって、討ち入り後の家臣たちに対する配慮を命じられた寺坂吉衛門は、その使命をようやく終えようとしていた。その帰りの道すがら寺坂はかつての同門、瀬尾孫左衛門に似た人物を見かける。瀬尾は主君・大石にとっても一番の近しき家臣と云われていたが、討ち入り前夜に逃亡、その所在が不明であった。そのときはあまりに急な事で見失ってしまう寺坂だったが・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「最後の忠臣蔵」感想文)


2010年最後の嬉しい驚きとなった傑作時代劇。チャンバラこそ最小限に抑えられているが、崇高で愚かで儚いひとりの侍の姿を、厳しくも暖かく視点で描いた作品であり、侍としての生き方を貫いた強さ以上に、侍としてしか生きられなかった哀しさが胸を打つ。今回役所広司が演じた、人としての色香を最大限感じさせる孫左の存在がとにかく素晴らしく、彼の生き方の是非はともかく自分は終始泣きっぱなしであった。

主君の命は絶対である侍社会だが、全ての侍たちがその精神を貫いた訳ではない。長く続いた太平の時代だからこそ、違った価値観が生まれてくる事もある。そんな中でも孫左は潔癖と云っていいほど真っ向汚れなき侍であり、その精神を曲げる事は何があろうとも決してできない。その意固地が例え周囲を不幸にする事が判っていたとしても、理屈ではどうにもできずに侍としての生き方を貫いてしまう。

だが、理屈ではどうにもならない感情が沸き上がるのも人間だ。人同士が関わり合う以上、どれほど崇高な侍精神を持っていようとも全ての感情を抑え込む事はできない。それが”人間”だからだ。そんな侍精神に抑え込まれた人間性を実に自然と描写した作品であり、時代劇だからこそ一過性でない感情の揺れが表現できたのだろう。

とにかく、時代劇にほんの少しでも興味があるのなら見逃す理由の見付からない作品であり、孫左の生き様をどう感じるかに評価の違いはあったとしても、是非多くの人に観て欲しい作品なのは間違いない。



ちなみに本作品で2010年の映画感想記事はお終いです。・・・ので、なるべく近い内に下半期のベストと年間ベストの記事を書きたいと思いますので。・・・もう1月も後半ですもんねェ・・・なるべく早くしないと。

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トロン:レガシー 10年アメリカ

2011年01月20日 21:33

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2010年12月30日MOVIX三郷にて鑑賞

評価★★★★☆☆☆☆☆☆

監督:ジョセフ・コシンスキー

脚本:エディ・キッツィス、アダム・ホロウィッツ

出演:ギャレット・ヘドランド、ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド、マイケル・シーン、ボー・ガレット、ブルース・ボックスライトナー、ヤヤ・ダコスタ、セリンダ・スワン、ジェームズ・フレインほか

原題:「TRON:LEGACY」

配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

上映時間:125分

1982年に公開された「トロン」の28年振りとなる続編。しかもジェフ・ブリッジスを始めとした一部の出演者が前作より続投しているという、極めて稀なタイプの続編でもある。・・・何故いまさらって気もするけど。
エンコム社のCEOとなったケヴィンの謎の失踪から20年、27歳に成長した息子のサムは、父の友人であり、ケヴィン失踪後はCEOを務めていたアランに、ケヴィンから謎のメッセージを受け取ったと知らされる。手掛かりを求めかつて父親が経営していたゲームセンター跡を訪れたサムは、隠し部屋の地下に起動状態で置かれていた物質電子変換装置によって、コンピューター内部の世界へと送り込まれてしまい・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「トロン:レガシー」感想文)


前作の「トロン」を観るとよく分かるが、本作は必要以上に前作を意識し継承した作りになっていて、だからこそ未来の3D体験が今ひとつできないのではないか?と勘ぐってしまう。いやまあそういった部分を楽しむ作品でもあるんだけど、正直改めて見直さなければ思い出すのは難しいほど前作に印象はなく、だったら大胆に作り直しちゃえばよかったのでは?なんて思ってしまう。せっかく色々とできる、そのための技術なのだから。

余談。前作の「トロン」を観て一番驚いたのが、本作にも登場するあの輪っかをフリスビーで表現してた事。しかもチラシにあるように高らかに掲げてみたり、あまりに超万能だったりで思わず笑ってしまった。時の流れは凄いのねェ・・・残酷でもあるけど。

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相棒-劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜 10年日本

2011年01月20日 20:43

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2010年12月29日MOVIX三郷にて鑑賞

評価★★★★★☆☆☆☆☆

監督:和泉聖治

脚本:奧水泰弘、戸田山雅司

出演:水谷豊、及川光博、川原和久、大谷亮介、山中崇史、山西惇、六角精児、片桐竜次、小野了、原田龍二、神保悟志、益戸育江、小西真奈美、小澤征悦、石倉三郎、葛山信吾、名高達男、江波杏子、品川徹、宇津井健、國村隼、岸部一徳ほか

配給:東映

上映時間:119分

初放映から10周年を迎えた人気TVドラマシリーズ「相棒」の劇場版第二弾。主なスタッフ、出演者はTV版を継承しており、現在放映中のシーズン9では、本作のエピローグにあたるエピソードが公開前日に放映された。
田丸警視総監、長谷川副総監を始めとした12名の幹部が集まる定例会議が行われていた警視庁本部で、その12名を人質とした単独犯による籠城事件が起こる。偶然犯人と居合わせた特命係の神戸は、上司である杉下右京と共に独自に犯人と現場の情報収集を始める事に。一方警視庁内部では緊急特別対策本部を設置、犯人捕獲のため特殊部隊の準備を進めていた。その頃、籠城犯が元警視庁刑事の八重樫である事を付きとめた杉下は・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「相棒-劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」感想文)


面白かったですよ、普通に。最後まで引き込まれたし。でもそれはあくまでも”相棒ワールド”の中での話であって、ああいった中途半端な試みを映画でやっては欲しくなかったなぁ。これじゃあ(多少スケールアップしただけの)”シーズン9第〇話2時間スペシャル”であって、映画としての価値なんて全然無いよ。大げさだけど。

ファン以外突き放した物語であるのもそうなんだけど、定規で計ったような、あまりに理路整然とし過ぎる展開なのも気になった。人のバイオリズムが一定の速度でないのと同じで、映画(ドラマでもそうだけど)などの表現の場合、語るモノによってそれぞれに合ったそれぞれのリズムを刻むものなのだが、本作にはそういったいい意味での余裕や無駄が無い。常に同じテンポで物語が展開していき、解決へ向かうリズムがあまりにも崩れない。

確かにこれまでのエピソードでもそういう傾向はあった(「相棒」では最多の和泉氏らしい手法とも云える)が、ここまで崩さなかったのはおそらく初めてだ。・・・何故か?そりゃもちろん本作における戦略のせいだろうね。エピローグとなるエピソードをドラマ版で作り、映画は事件の本番だけ、結局ああいった締め方をしてしまう、要は”承転”なんだよ、今回の劇場版は。だからリズムが崩れない、というか崩す場所が無いのだ。

もう一度言うが、”相棒”としては面白い。物語のクオリティは中々に高いし、作品を深く魅了するためには欠かせないエピソードだろう。だが、少なくとも私にとって本作は映画でなく、TVシリーズの流れで鑑賞する相棒のいちエピソードに過ぎない。なので評価も中途半端にさせてもらった。

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ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!べリアル銀河帝国 10年日本

2011年01月18日 18:38

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2010年12月26日MOVIX三郷にて鑑賞

評価★★★★★★☆☆☆☆

監督/脚本:アベ ユーイチ

出演:小柳友、濱田龍臣、土屋太鳳、石橋保、さとうやすえ、ベンガル、きたろう、平泉成ほか

声の出演:宮野真守、緑川光、神谷浩史、関智一、西岡徳馬、若本規夫、川下大洋、宮迫博之ほか

音楽:川井憲次

配給:松竹

上映時間:100分

ウルトラマンシリーズ45周年を記念して製作された作品で、「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」の続編。製作陣は前作から一掃されており、新たな布陣による、新たなシリーズとしての意味合いも強い。
一度はウルトラ戦士たちによって倒れたべリアルだったが、別宇宙で復活、全宇宙征服の野望を遂げるため銀河帝国を築き、様々な星への侵略を開始する。そんな中、惑星エスメラルダへの襲撃を開始したべリアル軍に立ち向かったミラーナイトは、なんとかエメラナ姫の単身脱出を成功させる。同じ頃、光の国では飛来してきたダークロプスたちの攻撃を受けていた。ウルトラ戦士たちの活躍によって何とか撃退するが・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!べリアル銀河帝国」感想文)


個人的には無難に落ち着いた作品として仕上がったと思える本作。過去、それもウルトラシリーズではない作品のヒーローを蘇らせるといった新機軸を確立はしたが、それ以外に前作「大怪獣バトル」を凌駕する要素は特になく、せっかく切り開いた新たな道筋も、結局はこれまでのウルトラシリーズに立ち返る道を選んでしまう。まあそれでもこれまでに比べれば相当にハイテンションな作品ではあるんだけど。

ただ、その変化をどう捉えるかは各個人が決める事であって、あくまで「自分には物足りないかなぁ?」というだけに過ぎない。それに世間的な評判という事で云えば、おそらく前作より好意的に受け取られているようにも思える。それほど前作が革命的だったと共に、ウルトラ作品としてはかなり型破りな作風だった訳で、伝統的フォーマットを重要視してきたウルトラシリーズとそのファンにとっては賛否巻き上がる事になったのだ。

今後のシリーズも(おそらく)この路線を歩むのだろう。・・・う~ん、まあ観るけどね。

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キック・アス 10年イギリス/アメリカ

2011年01月18日 16:34

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2010年12月25日MOVIX三郷にて鑑賞

評価★★★★★★★★★☆

監督/脚本:マシュー・ヴォーン

脚本:ジェーン・ゴールドマン

出演:アーロン・ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、マーク・ストロング、クロエ・グレース・モレッツ、ニコラス・ケイジ、ギャレット・M・ブラウン、クラーク・デューク、エヴァン・ピーターズほか

原作:マーク・ミラー(コミック)、ジョン・S・ロミタ・Jr

原題:「KICK-ASS」

配給:カルチュア・パブリッシャーズ

上映時間:117分

元々は日本での公開予定が無かった作品。「レイヤー・ケーキ」のマシュー・ヴォーンが監督を務め、「ノーウェアボーイ」のアーロン・ジョンソンが主人公を好演する。実質主役はヒット・ガールを演じたクロエだけど。
アメコミオタクでスーパーヒーローに憧れを抱く高校生・デイヴは、あるとき通販で買い揃えたコスチュームを身にまとい、自身がヒーローとなって街の自警活動を勝手に始めてしまう。だが何の能力も持たない彼はアッサリとチンピラ達に襲われ、入院を余儀なくされてしまうのだった。だが退院したデイヴには、手術による身体的変化が備わっており、その事で一度は諦めたヒーローへの道を再開する事となり・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「キック・アス」感想文)


アメコミが日本でいまひとつ受け入られない(と私は思う)のは、日本人にとってのヒーローという存在が、世界的に見ても極めて珍しい位置にあるからだろう。日本でのヒーロー物となると、そのほとんどは特撮作品に属しており、現実離れした特殊な世界観の上成り立っている作品が多い。理屈は通らずとも、受け手はそんな非現実をすべて受け入れる事で何の疑いもなくその世界観に浸り、嫌な現実を忘れよう・・・とする。多分。

だがアメコミのヒーローは基本”ただの人”であり、作品の世界観は現実に属したモノが殆どである。特殊な能力も理に適った理屈を通す努力を最大限しており、現実との繋がりを決して断ち切る事はしない(理屈が通らない場合は宇宙人にしたりするし)。それでも昔はノーテンキな正義感を振りかざす作品も多かったが、近年はヒーローであるが故の孤独や苦悩と云った、人の内面に迫った作品が数多く登場するようにもなってきた。

「キック・アス」もそんなアメコミ的作品であるのは間違いなく、しかも主人公が生粋のオタクといった、現実的に言えばあまりに痛々しいキャラクターとして登場する。現実からトリップしたいヒーロー好きにとってこれほどの仕打ちはなく、嫌でも現実を叩きつけられてしまう事になるのだ。日本人であれば尚更かもしれない。

なので、もしヒット・ガールがいなければ、彼女の現実にはあり得ない活躍を堪能できなければこの作品をこれほど楽しめたのか?は正直疑問だったりする(しかも彼女はこの作品、最大の問題児でもある)。それを見越し、あそこまでの活躍をさせたのならさすがと唸る他ないが・・・う~んまあ、結果オーライだろう、多分。

それで十分満足しちゃったんだから、それこそ結果オーライなんだけどねェ。

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エリックを探して 09年イギリス/フランス/イタリア/ベルギー/スペイン

2011年01月18日 15:21

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2010年12月25日ヒューマントランストシネマ有楽町にて鑑賞

評価★★★★★★★☆☆☆

監督:ケン・ローチ

脚本:ポール・ラヴァーティ

出演:スティーヴ・エヴェッツ、エリック・カントナ、ステファニー・ビショップ、ジェラルド・カーンズ、ジョン・ヘンショウ、ルーシー=ジョー・ハドソン、ジャスティン・ムーアハウス、マシュー・マクナルティほか

原題:「LOOKING FOR ERIC」

配給:マジックアワー、IMJエンタテインメント

上映時間:117分

「麦の穂をゆらす風」などのイギリスを代表する巨匠・ケン・ローチ監督による、ユーモラスな人間模様を綴った再生物語。母国代表のサッカー選手であったエリック・カントナが本人役で出演しているのも話題。
マンチェスターで働くベテラン郵便配達員・エリックは、家庭における様々な問題を抱えていた事もあって、過労の末に交通事故を起こしてしまう。幸い被害者はなく、自分もすぐに退院できたが、仲間たちの心配をよそに仕事に集中する事ができないでいた。そんなある日エリックは、自分の部屋に貼ってあるサッカー選手のエリック・カントナに話しかけるようになる。すると目の前に本物のカントナが現れ・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「エリックを探して」感想文)


それを誰かに告発する、もしくは自分で自覚してるかは別としても、誰にでも一度はあろう自己啓発を扱った物語であり、それがたとえトリックな反則技な表現であっても、何処か身に沁みる部分がある身近な作品だった。ケン・ローチらしい国民性に根付く語りかけに、理解しがたい部分もあるかもしれないが、それを補っても余りある元気を貰えるのも確かなので、もし気になるのなら是非観て欲しい。

逆に云えばイギリスの、それも生活に根付く文化が垣間見えるのだから、それだけでも価値は十分と云える。生活、家族、仕事、仲間、それにサッカーなど、映画として表現するにはあまりに地味な地域性を、ファンタジックで大騒ぎなコメディにも拘わらず相当密接に描いてある。その手腕は監督のこれまでの実績があってこそであって、だからこそ彼にしか表現できない作品に成り得たのだろう。

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君を想って海をゆく 09年フランス

2011年01月18日 14:34

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2010年12月25日ヒューマントランストシネマ有楽町にて鑑賞

評価★★★★★★★★☆☆

監督/脚本:フィリップ・リオレ

脚本:エマニュエル・クールコル、オリヴィエ・アダム

出演:ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴァルディ、オドレイ・ダナ、デリヤ・エヴェルディ、ティエリ・ゴダール、セリム・アクグルほか

原題:「WELCOME」

配給:ロングライド

上映時間:110分

監督自身による様々なリサーチの上作り上げた、人種・移民問題などを含む無骨な人間ドラマ。監督は「パリ空港の人々」のフィリップ・リオレ、主演は「すべて彼女のために」の名優ヴァンサン・ランドン。
フランスの港町・カレーにたどり着いたクルド人難民のビラルは、恋人の待つイギリス・ロンドンへ渡ろうと密航するも失敗、強制送還されてしまう。密航を諦めたビラルはドーバー海峡を泳いで渡る事を決意、町にあった市民プールで指導員として働いているシモンにコーチを依頼する。始めは「無謀だ」と断ったシモンだったが、あまりに熱心に頼むビラルに根負けし、コーチを引き受けるのだが・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「君を想って海をゆく」感想文)


”善意”という褒められるべき行為を、あえて切り崩す事で人間性の本質に迫ったドラマ。特筆すべきはシモンの人物像で、粗野な私生活やビラルに関わる経緯など、決して聖人とは程遠い生き方ながら、だからこそ避けて通れない人権問題を扱っていながらも、物語の展開に説得力が生まれてくる。そのサジ加減はとにかく絶妙で、単に問題定義を扱ったドラマ以上に我々に様々なモノを語りかけてくるだろう。

”ドーバー海峡横断”といえば、日本ではかつてバラエティで取り上げられていたし、競技としてニュースにもなるから知っている人も多いと思うが、こうした現実が含まれていたとは驚きである。フランスという国のごく一部とはいえ、実情を見せてくれたという意味でも必見だ(実際、作品が公開された事で、政治的問題として扱われるようなったというし)。

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雑記(気になった事など)

【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
        「あの夏いちばん静かな海」
好きな戦隊:「タイムレンジャー」
        「メガレンジャー」
好きなライダー:「クウガ」「電王」
※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

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