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ウルトラミラクルラブストーリー 09年日本

2009年06月11日 12:06

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2009年6月7日シネカノン有楽町2丁目にて鑑賞

評価★★★★★★☆☆☆☆

脚本/監督:横浜聡子

出演:松山ケンイチ、麻生久美子、ノゾエ征爾、ARATA、藤田弓子、原田芳雄、渡辺美佐子他

配給:リトルモア/日活

上映時間:120分

『ジャーマン+雨』で鮮烈デビューを飾った気鋭の新人作家、横浜聡子監督の最新作。いま若手で最も注目されている松山ケンイチと麻生久美子を主役に向かえ、監督や松山の出身でもある青森を舞台に、ちょっと不思議な純愛物語が語られる。
青森で無農薬野菜を栽培しながらひとり暮らしをしている、ちょっと変わり者の青年陽人。テープから流れる死んでしまったおじいさんの声を頼りにキャベツを作るが中々上手くいかない。そんなある日、東京から町子という女性が保育園の先生として赴任してくる。町子に一目惚れしてしまった陽人は、純粋に”好き”だという気持ちの表れとして、何かと町子に付きまとうようになっていくが・・・。
ある意味では非常に稀な映像作家が登場したっていう衝撃を受けるであろう作品だ。現存に囚われない物語と描写、そのくせ表現は実に映画的な躍動感に溢れる。だが作家性の強さから誰もが受け入れる事のできる作品ではなく、評価が分かれるのも間違い無い。

それとこの作品は松山ケンイチ演じる陽人をどう捉えるかでその評価が変わる。ハッキリと明記していないが、陽人はどう見ても知的障害者だ。そしてその扱いは温かさと冷たさを兼ね備えているため、見方によっては無神経にも感じてしまう。ただそこに正解は無いため、どうとでも映ってしまうのだ。

また、変わり者であるから、知的障害であるから純粋なラブストーリーとして成立するっていう作品の趣旨にも納得できる部分とできない部分がある。今の時代純粋に好きである事を表現するのは不可能に近い。だからこそこういった手法になってしまう訳だが、そこに表現者としての言い訳がましさも見え隠れする。・・・ホントのところは判らないが。

ただそんな想いを払拭するのが松山の躍動感溢れる演技だ。陽人は自覚の無い自由人であり、感情の全てを体全体で表現する。その様々な感情表現を松山が全身で表す事で、得体の知れないであろう陽人に魅力が溢れ出す。彼の抱える過酷な運命(自覚は無いが)など吹き飛んでしまうだろう。

あくまで知的障害者である事を気遣い表現を貫くのか、全てを受け入れ分け隔てなく包み込むのか、その差が作品の本質の差でもある。本作は全てを包み込む優しさと、それ故にでてくる人の残虐性、その両方が同居しているため判断が難しいが、温かさだけなんていう嘘っぱちな世の中より、残酷だからこそ現実味がでるのであって、嘘の優しさなどやっぱり嘘でしかないと思ってしまう。

結局は観客の判断に任せるしかなく、良識の是非ってやつは難しいって事だ。ひょっとしたら陽人はホントにただの変わり者なのかもしれないし、知的障害者を扱うには無神経すぎると見る事もできる。不可思議なファンタジーにも見えれば、純粋なラブストーリーと感じる事もできる。

あまり使いたくないフレーズだが”何とも形容し難い作品”って事なんだろう。
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雑記(気になった事など)

【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
        「あの夏いちばん静かな海」
好きな戦隊:「タイムレンジャー」
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※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

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