ハゲタカ 09年日本
2009年06月16日 11:56

2009年6月9日MOVIX三郷にて鑑賞
評価★★★★★☆☆☆☆☆
監督:大友啓史
脚本:林宏司
出演:大森南朋、玉山鉄二、栗山千明、高良健吾、遠藤憲一、嶋田久作、松田龍平、中尾彬、柴田恭兵他
原作:「ハゲタカ」他/真山仁著
配給:東宝
上映時間:134分
2007年NHKにてドラマ化された「ハゲタカ」の続編となる作品の映画化。”企業買収”という今の時代を反映した題材を、無骨な人間ドラマと共に魅せていく作品になっている。
かつて瀕死の日本企業を次々と買い叩いていた企業買収の天才鷲津政彦。だが日本マーケットに絶望した鷲津は日本を捨ててしまう。そんな彼の元へ大手自動車メーカー「アカマ自動車」の芝野が”中国系巨大ファンドによる買収の危機を救って欲しい”とやってくる。かつての盟友の頼みを断ってしまう鷲津だが、”赤いハゲタカ”と呼ばれる劉一華の登場に日本へと飛び立つ決意をする。
NHK主催の作品っていうのに驚いたが、TVドラマで放映していたらしく納得。もちろん見ていませんが。ただTVドラマの映画化って事での危惧もありそうだが、そこはNHK、この作品一本でも楽しめるよう造られている。後で思えばそれらしき描写もあった事を思い出す。
ところで今回私は評価を少し低く設定した。作品には別段不満はなく、マネーゲームに翻弄される人間ドラマとして一定の評価ができる作品だと思う。それでも評価を少し低くしたのは私自身がマネーゲームに一切興味が無いからだ。よってそれを生業としてる連中の気持ちも全く理解できない。
私は古臭い人間であるためか、賃金というのは体で稼いでナンボといった意識が未だどこかにある。仕事が全く無くなるのは困るが、必要以上に稼ごうという気は無く、もちろん稼ぐセンスなど持ってる筈も無い。だがそれが不幸だと思った事は無く、奇麗事かもしれないが”お金が全てを生み出す”とも思えないのだ。
そんなんだから株でお金を儲けるって事に現実味を見出せず、企業を評価するって事の意味が判らない。それに日本人が何かを評価・判断する場合、どうしても義理・人情が必要となってくる。故に数値による企業評価などを日本人が割り切ってできるとは到底思えない。
その考えや判断がいいのか悪いのかは判らない。古臭い考え方だが、誠実であり勤勉である日本人だからこその資質であり、いまでも日本人はそうあって欲しいと私は願っている。
時代に取り残されてしまえば悪なのか?貧乏だと幸せにはなれないのか?身近だからこそ大切なモノも見えてくるのではないのか?私の想いは青臭い理想論であり、現実にはもっと厳しい状況に置かれている人も大勢いるだろう。ただだからこそ地に足を付けて生きていく事が大事になってくる。見えないお金に振り回され、努力が結果に結びつかない企業体制に夢や希望など生まれる訳が無い。
作品の感想とは程遠くなってしまったが、観てる間中そんな事ばかりを考えていた。もし「ハゲタカ」で行われている事が日本中で蔓延しているなら、ホントに日本はダメになってしまったのかもしれない。唯一の希望は柴田恭兵演じる芝野健太の存在だけだ。
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