扉をたたく人 07年アメリカ
2009年07月01日 11:10

2009年6月27日恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞
評価★★★★★★★★☆☆
監督/脚本:トム・マッカーシー
出演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス、ハーズ・スレイマン、ダナイ・グリラ、マリアン・セルデス、マギー・ムーア他
原題:「the Visitor」
配給:ロングライド
上映時間:104分
本国アメリカでは僅か4館で公開されたが、口コミにより上映館が270館までに拡大、最終的には主演のリチャード・ジェンキンスがアカデミー主演男優賞にノミネートされるまでになった作品。味わい深い人間ドラマと共に、9.11以降閉ざされてしまったアメリカの移民問題が浮き彫りにされる。
妻に先立たれ、生きる気力をなくした大学教授ウォルター。習い事は続かず、仕事はおざなり、他人との関わりを避けたその暮らしは、生きながら死んでいる生活だった。そんなとき学会のためN.Y.に出張となったウォルターは、久し振りに借りっぱなしだったアパートに戻る事になる。だがそこには知らないカップルが住み着いており、ウォルターが不審者に間違えられてしまう。
『Yahooレビューに投稿した「扉をたたく人」感想文』 ※私の書いた感想文ですよ~。
監督のトム・マッカーシーは普段は俳優(ジョージ・クルーニー系の作品によく出ている)であるが、以前から移民政策に関心があり、国の拘束体制について調べていたそうだ。特に9.11以後の不法滞在者たちの扱いに疑問があり作品の製作へ繋がったという。
移民の街として発展してきたニューヨーク。その扉が今まさに閉ざされようとしている。日本人はまだマシな方で、中東系の人たちなど真っ先に偏見の対象になってしまう。もしこのままアメリカが移民者に対して強硬な姿勢を取り続けてしまったら、アメリカという国そのものの発展が閉ざされてしまうかもしれない。「扉をたたく人」はその警鐘を感じる作品になのだ。
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