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息もできない 08年韓国

2010年03月29日 18:07

280.jpg
2010年3月22日シネマライズにて鑑賞

評価★★★★★★★★★★

製作/監督/脚本/編集/主演:ヤン・イクチュン

出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、ユン・スンフン、パク・チョンスン、キム・ヒスほか

英語題:「Breathless」

配給:ビターズ・エンド/スターサンズ

上映時間130分

映画を造るほぼ全ての要素を背負っているヤン・イクチェンのデビュー作品。彼自身のごく個人的な作品であるのは間違いないが、ひとつの映画としての完成度はズバ抜けて高く、近年稀にみる傑作として仕上がっている。
年上の友人マンシクが経営する債権回収業者で働いてる取り立て屋のサンフン。暴力的な取り立てはもちろんストライキの鎮圧、屋台の強制撤去など、その手加減の無さは仕事仲間でさえも怖がっている。そんな粗暴なサンフンだったが、母親の違う姉の息子・ヒョンインだけは可愛がいがっており、何かと気を掛けているのだった。ある日サンフンが通りを歩きながら唾を吐くと、偶然通り掛かった女子高生・ヨニの胸元にかかってしまい・・・。


(Yahoo映画レビューに投稿した「息もできない」感想文)


今年(とはいってもまだ三ヶ月しか経っていないが)観た映画ではダントツ面白かった作品。”面白い”という言い方は違うのかもしれないが、大げさではなく今まで観てきた映画の中でも上位に食い込むほど素晴らしい傑作だった。もちろん私の中ではだけど。

だから文才のカケラも無い自分がどうこの作品の感想を書いたらいいのかが見当も付かず、Yahooのレビューも何だか判らぬ間に行数を埋めただけの駄文になってしまった。言いたい事は山ほどあるのに、どう言っていいか判らないという、中学生が読書感想文を書くときの様な悩みを抱えてしまう。あー!ちゃんと勉強しとくんだった!

・・・一応冷静に分析しておくと、この作品はヤン・イクチェンのひとり舞台とも云える個人的作品なのは説明したが、だからと云って感性に溺れた何だかよく判んない芸術的作品では全く無い。どちらかと云えば物語としての構成には無駄が無く、表現したいと願う事柄も実に客観的立場を心得た演出となっていて、説明多可な押し付けがましさや判り難さなど、新人監督に陥りやすい身勝手さは全くと言っていいほど見られない。

それと共に驚いたのが笑いのセンスだ。この作品には精神的にも肉体的にも相当に苦痛となる暴力が蔓延っているのだが、それ以上に笑いが起こる。主人公やその周りの連中の生活環境は劣悪そのものなのだが、生きていく上で決して無くしてはならない笑顔になる瞬間が幾度も訪れる。それも何かに頼った質の低い笑いなどではなく、人生において生まれるであろう本質的な笑いばかりなのだ。

単に自分の思いを吐き出したいだけであれば笑いのシーンなど生まれないし、生む必要もない。大体笑えるシーンと云うのは生みだすだけでも難しいのだ。だが監督は”あくまでコレは映画なんだ”というポリシーとプライドを持ち続けていたからこそこのような表現方法になったのだろう。もしくは天性の才能か。

自分の経験なので当てにはならないが、韓国映画でここまで笑ったのって私は初めてだった。物語の本質に触れるだけでも傑作である事は間違いないと確信できる作品なのに、それ以上に観客を楽しませるというサービス精神まで見せられちゃってはひれ伏す他ないでしょ。もー完敗!参りました!!

もちろん誰もが傑作だと思える作品などこの世には存在しないし、この作品も「ざーけんな!クソ映画じゃねえか!」という感想(そんな言い方しなくてもいいが)の人だって当然いるだろう。単に私のツボを押しまくりまくっただけであり、この作品に出合えた事を感謝したいだけなのだから。

・・・しかし何と云うか全く冷静にはなれなかったし、結局何書いてんだろうって感じの文章になってしまいました。ホント申し訳ないッス。いい作品だとは思うので、もし行ける環境にあるのならば是非観て欲しいです。
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映画/洋画/2010上半期 コメント: 2 トラックバック: 0

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息もできないの感想

こんばんわ!今更コメント失礼します(汗)

2010年ももうすぐ終わりますが、私にとっての今年の1位は「息もできない」
で決定しそうです。

感想もひだっちょさんに似通ってしまうのですが・・・とにかく何と書いていいのか分からない。言葉に出来ないけれどただ素晴らしい作品だということしか私には書けません。

もちろん暴力の連鎖とか、強さと弱さとか説明できる言葉は並べられるのですが、
中盤のヨニの膝枕のシーン。あのシーンで私が体験した感動は、そういったロジックでは表現できない、何と言うかヤン・イクチュンという人間そのものをぶつけられた感覚を覚えました。

後に知ったのですが、ヤン・イクチュン自身幼い頃両親を憎み続けていたそうです。
そして和解できないまま年を重ね、そういった自分自身に区切りをつける為にもこの作品を撮ったそうですよ、その大嫌いな両親に借金をしてまで・・・。

そして本作撮影後ヤン・イクチュン自身が家族会議を提案し、互いに思いのたけをぶつけ親と子は和解したそうです。


そう考えると、恐らく本作のサンフンはヤン・イクチュンの自己投影ともいえます。
彼はこの作品で家を抵当にいれ、借金をしてまで、自分のあるがままの姿を表現したかったように思えます。

現代は「う○こばえ」というトンデモないタイトルですが、そのタイトルとは対照的に本当に美しい作品でした。

2010年11月16日 22:00 | URL | 三級映画技士 | 編集

Re: 息もできないの感想

>サンキューさん
今更なんてとんでもない、コメントありがとうございます!


> 2010年ももうすぐ終わりますが、私にとっての今年の1位は「息もできない」
> で決定しそうです。
お、そうですね、もう年末なんですよねェ・・・。私も今のところ1位は「息もできない」です。


> ヤン・イクチュンという人間そのものをぶつけられた感覚を覚えました。
場面場面でも素晴らしい箇所は幾らでもある(膝枕のシーンは私も泣き崩れました。泣き過ぎて息ができなか
ったです)のですが、やはり圧巻だったのはおっしゃる通り、監督の人間そのモノを強烈に感じたことろです。
それでいて主観的表現には陥らないんですよねェ・・・それがよけいに凄い。


> 後に知ったのですが、ヤン・イクチュン自身幼い頃両親を憎み続けていたそうです。
> そして和解できないまま年を重ね、そういった自分自身に区切りをつける為にもこの作品を撮ったそうですよ、その大嫌いな両親に借金をしてまで・・・。
パンフレットではそこまで詳しい事情は書いてなかったですね、教えて頂きありがとうございます。それに
しても嫌いである両親に借金するってのはよほどの決意でしょう、一番頼りたくない相手なのですから。


> そう考えると、恐らく本作のサンフンはヤン・イクチュンの自己投影ともいえます。
> 彼はこの作品で家を抵当にいれ、借金をしてまで、自分のあるがままの姿を表現したかったように思えます。
これほどまで”自分映画”なのに、これほどまで人の心を鷲掴みしてしまう作品に仕上げられるってのが、何度
も書きますが信じられません。大抵は”我”が強く出るんですけどねェ・・・その意味でも素晴らしいです。


> 現代は「う○こばえ」というトンデモないタイトルですが、そのタイトルとは対照的に本当に美しい作品でした。
珍しくいい邦題だったって事ですね!・・・それにしても「○んこばえ」って凄いな。

2010年11月18日 21:56 | URL | ひだっちょ | 編集

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雑記(気になった事など)

【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
        「あの夏いちばん静かな海」
好きな戦隊:「タイムレンジャー」
        「メガレンジャー」
好きなライダー:「クウガ」「電王」
※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

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