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「ヒミコさん」鑑賞日記

2010年07月15日 13:49

372himiko1.jpg
2007年劇場公開作品
※「ダンプねえちゃん・・」公式HPにて配信上映

監督/脚本/撮影/編集:藤原章

出演:宮川ひろみ、園子温、高橋洋、吉行由実、田野辺尚人、辛酸なめ子、切通理作、渋谷拓生、武川寛幸、酒徳ごうわく、ギンティ小林、ほか多数

原作:暁健太郎 「武川吉男 正伝」「パパは蓄膿症」
※脚色:藤原章

音楽:Drムロとサイコヒデとヒロちゃん(ex.地球楽団)

配給/宣伝:イメージリングス

上映時間:92分

「ダンプねえちゃんとホルモン大王」や「ラッパー慕情」の藤原章監督2007年度公開作品。今回「ダンプねえちゃん」公式HPにて限定配信上映されたモノを鑑賞させて貰いました。・・・タダで観れちゃってスイマセン。
時は1982年(昭和57年)。石油コンビナートがヘドロを垂れ流す薄汚れた地方都市、石川県泥亀市赤松町をパトロールしていた町内会長・吉田勝利は、久し振りに町へ戻ってきたヒミコさんとの再会を果たす。一方、県立紅工業高校野球部のエースピッチャーのムカワは、三年生最後の甲子園出場に向け猛練習に励むものの、女手一つで育ててくれた母親の体調が思わしくなく、貧乏のため入院させられないという悩みも抱えていた。そんなある日ムカワは道で絶世の美女とすれ違う。後輩のコバヤシとケンに彼女の事を尋ねるが知る者はなく・・・。

2回鑑賞(1回では頭の整理が付かず。・・・実はまだ付いていなかったり)

今回、幸運にもまだ未見であった「ヒミコさん」を鑑賞する事ができた(それもタダで)訳だが、パソコン上での鑑賞のため画面の広がりと奥行きに正直物足りなさがあった(劇場で観るべき作品という意味で)のも確かで、私のショボイ感性で作品をキチンと感じ取れたかが不安なんだけど・・・自分なりに感想を述べたいと思います。

今回の作品は青春モノに群像劇を合わせたような作風になっており、一見ストレートな青春活劇にもみえるのだがそこはそれ、我々の期待など軽く裏切る世界観が構築されており、一筋縄ではいかない底辺で生きる人間たちの、切なくも欲望にまみれた人間模様が繰り広げられていく事になる。

中でも際立っていたのがキャラクター造形だ。淑女であり悪女、得体の知れないエロティックパワーをさく裂し、観る者の下半身を刺激しまくる絶世の美女・ヒミコさんを始め、妄想癖が強すぎるムカワ、真面目すぎるケン、SEXしか頭にないコバヤシ、薬絡みで自滅した元プロ野球選手、得体の見えない町内会長、やたら拳銃をぶっ放す新人刑事、その刑事の鬱陶しい先輩、一見定番女子マネのまりっぺ、ヒトデナシの医者、なんでこの人が?というスポーツ記者などなど、常識をベースとしながらも常識に捉われないキャラクターたちが画面狭しと暴れ回る。

またそれを演じる人たちが凄い。ヒミコさんを演じた宮川ひろみはマジで男として反応してしまうほどのやばいエロさが爆発(これ褒めてるのか?)しており、「ダンプ」とは全く違うキャラを演じ切っている。今作で初起用となったムカワ役の武川寛幸は、藤原作品としては珍しい好青年(妄想し過ぎがタマにキズ)を爽やかに演じていた。「愛のむきだし」の監督、園子温のフレディ(楳図?)には驚かされたし、「ラッパー」や「ダンプ」にも出演してきた常連の方々の怪演も見ているだけで楽しかった(辛酸なめ子は面白過ぎでしょ)。

個人的には酒徳ごうわくの役者における不思議な魅力に気付かされた。これは「ダンプ」を観ていたからこそ感じた事なのだが、17歳の高校生と40歳フリーターをこうも違和感なく演じ分けられるってのは、技術云々というより彼自身が持つ天性の人間性あってこそ出来上がるモノであって、それを飾りつける事なく表現したからこその名演だと思うのだ。だから逆に技術なんて付けないで欲しい、なんて願ってしまう。ちなみにヒトデナシの医者を演じた切通理作は「ダンプ」の大先生があまりにインパクトが強かったためか、十分強烈なキャラなんだけど比べてしまうと物足りなかった。

1982年という時代設定の再現や、架空である筈の泥亀市を存在させてしまうその手腕は特筆すべき描写力で、セットやCGでは決して表現する事のできない生きた町の味わいを感じさせてくれる。もちろんそれは地に足付いた映画作りが行われていたからこそ映像として表れるのであって、表層的な貧しい表現力の演出家ではまず撮る事はできないんだけど。っていうかこの作品を観て勉強すれば?って本気で思うよ。

と、ここまでは褒めちぎっているんだけど、物語に関しては思いのほか感じる部分が少なかった気がした。群像劇としての個々のエピソードは面白いんだけど、作品の全体を覆い包むカタチみたいなモノがあまり見えてこないのだ。「ラッパー慕情」では監督の内なる気持が爆発したその想いを感じたし、「ダンプねえちゃん」ではエンタメとしての極みを届けようという気概を感じたのだが、その中間に位置する「ヒミコさん」はまさに2つの作品の中間的役割に見えてしまい、作家性こそビンビンに感じるもののその先にあるモノを感じられないのだ。

まあこれは貧弱な感性しか持ち合わせてない自分に対する言い訳でもあるんだけど。

ただ作品の世界観に定住したいっていう想い、これを強く感じる作品ではあった。決して住みやすいとは云えない町だし、そんな町に住まざるを得ない連中ばっかりが登場するんだけど、そんな中でも不器用ながら一生懸命生きていく連中の姿を見ていると、ずっと同じ空気を吸っていたいという衝動に駆られてしまう。ちょっとした出来事に感じる幸せなその気持ちを共有したくなるのだ。作品の終了時に「え?もう終わり?」と真っ先に浮かんだのはそんな想いがあったからだろう。

・・・長くなってしまった。観終わった後に語りたいタイプの作品なので書き足りない気もするが、いつまで書いていてもキリが無いのでこの辺で終わりにしたいと思います。


【追記】
もうひとつ、音楽についてちょっと。私はビックリするほど音楽に疎い人間なので、上手く言葉で言い表す事ができないんだけど、「ヒミコさん」で使われている楽曲は全体としていいと思ったのはもちろんの事、途中の階段うさぎ跳びのシーンとラストに流れる楽曲が何というかとにかく良かったんですよ。でも何処がどういいとかが言葉として浮かばないんですよねェ・・・。変な追記になってしまって申し訳ない。
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映画的雑記 コメント: 2 トラックバック: 0

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コメント

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ヒミコさん

2回も観てくださり、また勉強になるご意見ありがとうございました!

2010年07月21日 07:27 | URL | 藤原章 | 編集

Re: ヒミコさん

>藤原監督
わざわざコメント頂きありがとうございます!

> 2回も観てくださり、また勉強になるご意見ありがとうございました!
恐縮です!・・・としか言いようがありません。私の方こそ色々と吸収させて頂きました!

2010年07月21日 14:13 | URL | ひだっちょ | 編集

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【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
        「あの夏いちばん静かな海」
好きな戦隊:「タイムレンジャー」
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※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

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