ヘブンズ・ドア 09年日本
2009年02月14日 10:13
2009年2月12日MOVIX三郷にて鑑賞
評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆
1997年のドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」を原案とした作品。私は残念ながら未見だが、元の作品とはかなり変えてきているようだ。だがそれが上手く転がったとは到底思えない薄っぺらな作品に仕上がっている。
この作品は余命僅かな2人が海を見に逃避行するロードムービーだが、人物描写が浅すぎて誰にも感情移入ができなかった。血の通ってないキャラクターに真実味の無いセリフを吐き出させる。更に到底発するとは思えない詩的なセリフが多く、正直観ていて恥ずかしかった。
ジェームス・キャメロンを師事したCG技術者出身のマイケル・アリアス監督が、押井守などに影響されたのは明白で、そのこだわりの映像が作品で披露される。それは正に異国情緒漂う景色の数々なのだが、それが作品にいい相乗効果を生んでいるかと云えばそれはまた別の話だ。
演者をコントロールできない演出家が、幾ら映像に凝ろうとも意味は無い。異国情緒以上に無国籍感が際立つだけで、何処の国とも判らない、生きているのかも不確かな若者2人が戯れてる姿を、ただただ見せられているとしか感じなかった。少なくとも私には。
映画畑ではない出演者などにこだわりもあるのだろうが、演出の技量が無いのに演技を付けられる筈も無い。主演の2人でさえマトモな演技には見えないのだ。それに私は未だ福田麻由子の良さがサッパリと判らない。相変わらずツクリモノの演技としか思えなかった。
元がドイツの作品をわざわざ日本でリメイクするのに、何故外国人監督によって無国籍にしてしまうのか?その無国籍を包括しねじ伏せて、自分の世界観を構築してしまうほど演出側に技術と情熱とパワーがあれば構わないが、単に新人監督のこだわりばかりが空回りしてしまっただけだった。
企画の段階で上手くいきようも無い作品だと気付くべきだ。それともこの作品は高いセンスによってまとめ上げられた、世界に通用するワールドワイドな作品だとでも云うのだろうか?カンベンしてよ、フジテレビの亀山Pさん。
良かったのは三浦友和の好演と、アンジェラ・アキの歌う主題歌位かな。
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