君に届け 10年日本
2010年10月22日 14:41

2010年10月2日MOVIX三郷にて鑑賞
評価★★★★★★★☆☆☆
監督/脚本:熊澤尚人
脚本:根津理香
出演:多部未華子、三浦春馬、蓮沸美沙子、桐谷美玲、夏菜、青山ハル、金井勇太、ARATA、富田靖子、勝村政信ほか
原作:椎名軽穂著作漫画「君に届け」
配給:東宝
上映時間:128分
累計発行部数1100万部を突破した大人気コミックを、TVアニメを経て実写映画化した作品。監督は「おと・な・り」の熊澤尚人。原作ファンによる手痛い指摘も多く寄せられたが、映画として面白いのだからいいのでは?
見た目の暗さから「貞子」と呼ばれるようになった黒沢爽子は、妙な噂ばかりが飛び交い高校入学後もひとりクラスに馴染めないでいた。だがその外見とは裏腹にけなげに振舞う純粋な彼女に対し、クラスの中心的存在である風早翔太は密かに好意を抱くようになる。夏休みを控えたある日、風早の提案によりクラスでキモ試し大会が開かれる事になった。お化け役を買って出て欲しいと思い込んだ爽子は、自分から引き受けてしまい・・・。
(Yahoo映画レビューに投稿した「君に届け」感想文)
今更に原作漫画を読む勇気はさすがに無いのだけれど、なんと日テレさんが深夜にアニメ版を再放送してくれているので、今それを追っかけ中。現在(10/22)女子3人の友情が確認された処まで放映されたのだが・・・いやぁ、判ってはいるんだけど泣いちゃったねェ・・・。人気が出るのも判りますよ。っていうか、こういった作品が若い人たちの間でキチンと評価されていたのが嬉しかったです。多少なりとも価値観を共有できた気がして。
アニメ版が原作に近い描き方をしている、と仮定したとして、ここまで観た限りだと映画における原作への違和感はそれほど感じなかった。キャストにしても物語展開にしても、巧くまとめられていたと思う。表現として決定的に違う事や限られた時間を考えれば、むしろ健闘していたと云ってもいい。
問題は後半部分だろう。圧倒的に時間が足りないとはいえ、映画での描き方に不満が集中したのも爽子と風早の恋愛部分が描かれる後半に集中していたからだ(多分)。もちろん前半部分でも書き込み不足は感じられた。特にクラスメートや周囲の反応を映画ではすっ飛ばしているため、”普通の高校生活をしたい”爽子の想いが”友達ができた事への喜び”へとすり変わってしまっている。細かな事だが大事な要素だろう。
それでもこの作品への心象が変わってしまう事はもう無い。久方振りに出合えたちゃんと面白い青春映画だった。頑なに原作を重視し、イメージを守るのも大事だろうけど、実写にする以上改変は必然の作業なのだ。例え改悪に感じたとしても、1本の作品として捉える事は忘れないで欲しい。う~ん、まあ・・・難しいとは思うけど。
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