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最新の松本人志イズム 「さや侍」

2011年06月16日 06:59

「さや侍」鑑賞。

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松本人志監督作品第3弾。今回松本は出演しておらず、主演は「働くおっさん劇場」という番組に出演していた野見隆明という素人のおっさんが務めている。しかも途中まで主演映画、というか映画である事すら告げずに撮影していたらしい。理由は調子に乗るからだそうで。・・・なんだか凄いね。


これまでの「大日本人」や「しんぼる」は、松本人志の独特なセンスこそ光る作品ではあるが、どうにも煮え切らない映画である印象が強かった(一般的には賛否の否ってところ)。言いたい事は判るが、その表現方法に付いていけない、ってな感じだろうか。だが本作は、監督3作目にして道筋のハッキリとした迷いのない作品に仕上がっている。大衆的・・・とまではいかないけど、多くの人が楽しめる作品になっているように思う。



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本作で描かれるのは”親から子へと受け継がれていくモノ”であり、それをこれまでにないくらい真正面から描いている。ただし松本自身にその才能が無かった、という訳ではなく、カタチこそ違えどこれまで何度も観る者の琴線に触れる表現をしてきてはいる。これまで正面はあえて避けてきた、と見るべきだ。

だが歳を取り、結婚し、子供ができた今、その心境に変化が生まれたのは想像に難しくなく、だからこそ本作のように正面切った人間描写ができたのだろう。しかも笑いの描写に関してもキチンと定石を踏みつつ、絶妙なタイミングと積み重ねの効果によって意図とする笑いを生み出している。相変わらず大爆笑はしないんだけど、常にクスクスと笑わせて貰った。



物語の組み立ても非常に洗礼されており、人間関係の微妙な変化や小道具による状況変化の付け方など、物語を魅せるための基礎とも云えるテクニックが随所に盛り込まれていて感心した。

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特にこの3バカトリオがいい。物語には全くと言っていいほど関わってこないんだけど、その自由な立ち位置を利用する事で妙な具合に物語に絡み、あまつさえ引っ張っていく。自分などいつの間にか出番を待ちわびていた。




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板尾はいつも通り素晴らしい存在感を残しており文句ナシ。それよりも、本作で一番と云える活躍をしたのが娘役の熊田聖亜だ。野見が素人であるため、演技ができるしっかり者の娘という条件の下選ばれたのだが、演技が上手いのはもちろん、何度も自然な表情を魅せてくれるのがいい(それを捉えている監督の腕も大したものだが)。始めこそ違和感のあった親子の関係性が、徐々に自然な絆へと発展していくように見えてくる・・・てのは褒めすぎだろうか?だが私にはそう見えた、だからこそ本作は作品として成立する。




”笑い”が武器である松本にとって、本作で描かれる”武器を持たぬさや侍”には計り知れない想いが詰まっているに違いない。だからこその決着であり、その想いを謳ったラストに繋がっていく(個人的には今年ベストとも云えるシーンだった)。

だがその分本作は、混じりっ気なしの”松本人志印の作品”であり、私自身長年彼のファンだからこそここまで想い入れ深く楽しめた、とも云える(それと日本人である事も重要)。彼だからこそのセンスと共に、彼だから許される表現もひとつやふたつではない、よくも悪くも「松っちゃんの仕業」という代名詞が付きまとうのだ。そういう意味では欠点の多い作品なのだが、映画だからこそ表現できた作品なのも間違いない。そこがこれまでの作品との決定的な差ではないだろうか。



松本人志が抱え持つお笑い芸人としての意地やプライド、そして人の親となった事への責任と決意、それらが全てが結実しひとつの作品へと昇華させた「さや侍」は、彼の作品としてはこれまでにない傑作となった。時代劇としては破天荒な描写も多いが、その辺は大らかな気持ちで鑑賞する事をオススメしたい。
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雑記(気になった事など)

【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
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好きな戦隊:「タイムレンジャー」
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※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

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