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リーが本当にやりたかった事 「海洋天堂」

2011年07月16日 01:45

「海洋天堂」鑑賞。

       660kaiyo004.jpg



ジェット・リー(我々の世代だとリー・リンチェイが馴染み深い)が得意のアクションを封印し挑んだ感動のドラマ・・・って解説を聞くが、それにはいくつか補足が必要。2004年、家族と休暇を過ごしていたモルディブでスマトラ沖地震に遭った(幸い家族はみな無事)リーはその後慈善事業を開始、2007年には”壱基金”を創立し、俳優としての仕事を極力減らし本格的に福祉活動に専念していた。そんな折、たまたま本作の脚本を読む機会があったリーがその内容にいたく感激し、しかもノーギャラで出演、俳優業として久々の復帰作となった。

リー自身は演技に対する想いが強く、アクションより人間ドラマに出演したかった節がある(近年は特にそう感じられた)。「ダニー・ザ・ドッグ」や「ウォーロード」などにその片鱗はあったが、アクション要素のない作品のオファーがある可能性は極めて低く、本人自身そのジレンマに苛まれていた・・・というのは考え過ぎだろうか?だが本作をノーギャラで出演したのには、作品に感銘したのは大前提として、自身が持つ新たなポテンシャルを世に広めたいと云う想いが多少なりともあった・・・というのはもちろん私の勝手な想像なんだけど、まんざら外れていないような気もするのだ。

だから”得意のアクションを封印”ではなく、自ら望んで普通の人を演じたに過ぎない。

もうひとつ、本作を観るに知っておくべき事柄として、本作で脚本/監督を務めたシュエ・シャオルー自身が14年間に亘って自閉症やその家族を支えるボランティア活動をしていた、というのが挙げられる。でなければ本作のような作品が生まれる可能性は限りなく低く、だからこそ素晴らしい作品に成り得たのだと断言できる。



       661kaiyo006.jpg



「海洋天堂」はリー演じる、水族館で整備技師として働くワン・シンチョン(王心誠)と、その息子であり自閉症児のターフー(大福)との日常を描いた”だけ”の作品である。



・・・なんか身も蓋もない解説だが、本当にそれだけが淡々と描かれた作品であり、親の深い愛情が真摯に表現された物語になっている。誇張や創作はあえて控えられており、自閉症児を持つ親が抱える問題や厳しい現実(もちろん更に辛い現実もあるだろう)が丹念に描かれ、その周りの人々との関係性が切々と綴られていく。リーは見事なまでに凡人と化し、新たな境地を開花していた。何故本作にノーギャラでも出演したかったか?作品を観ればハッキリと判るだろう。


感動を煽るような演出が全く無いとは云わない。だが、こういった題材を扱う作品としては異常と云ってもいい日常描写のみで作品が構成されている。そこに奇跡などはなく、希望的観測はあっさり打ち砕かれ、何かの拍子で上手い事何かが解決する事もない。その結末はワンが親として子を愛し抜いたからこそ導かれた結果に過ぎず、日常を執拗に描く意味もそこにある。ここまで抑制し演出できたのは監督自身の長年の経験があったからに他ならず、現実を見据えられたからこそ感動がより自然に跳ね返ってくるのだろう。バカのひとつ覚えみたいに難病映画を作っている連中は、本作を観て反省でもしろ、マジで。


って事で傑作。
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コメント

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海洋天堂

こんにちは、はじめてブログにお邪魔します。
「海洋天堂」良かったですね~
あざとい作りは一切なく、淡々と日常を描いていて、しみじみとこみあげてくるものがありました。
ジェット・リーの抑えた演技にも彼のこの作品への理解がうかがえました。

2011年07月24日 10:43 | URL | じゃむとまるこ | 編集

Re: 海洋天堂

>じゃむさん
コメントありがとうございます!わざわざお越しいただき恐縮です!


> 「海洋天堂」良かったですね~
この題材でここまで淡々と日常を描けるって凄いと思いました。予告では想像しにくい作風ですが、ぜひ多くの
人に観て欲しい傑作ですねェ。だったらYahooレビューに投稿しろって話ですが、そこはじゃむさんがしてくれ
ていますので・・・(スイマセン、他力本願で)


> ジェット・リーの抑えた演技にも彼のこの作品への理解がうかがえました。
見事に一般人化してましたね、彼は。だからこそ最後に表記される「平凡にして、偉大なるすべての父と母に捧
ぐ」の言葉が胸に突き刺さるのでしょう。・・・思い出しただけで目頭が熱くなってきました・・・。

2011年07月29日 03:40 | URL | ひだっちょ | 編集

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【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

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ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
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