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唯一無二のドキュメンタリー 「エンディングノート」

2011年10月16日 23:55

「エンディングノート」鑑賞。

       698endingnote01.jpg


本作で製作を務めた「誰も知らない」や「歩いても歩いても」の是枝裕和に師事した経験を持つ、砂田麻美初監督ドキュメンタリー作品。”自分の父親の最期を撮り続ける”と云った、通常ではあり得ないドキュメンタリーであると共に、その方法論や作品の空気、匂いなど、そのどれもがこれまで味わった事の無い作品となっている。



高度経済成長期に熱血サラリーマンとして40年以上勤めてきた会社を67歳で退社した砂田知昭は、第2の人生を歩み始めようとしたその矢先、毎年受けてきた健康診断でステージ4まで進行している胃ガンが見つかる。そこで砂田は人生最後のプロジェクトとして、自分の死の段取りを綴った”エンディングノート”を作成するが・・・。




本作品は、通常考えられる映画制作の過程では決して作る事のできない作品と云える(例えドキュメンタリーであっても)。監督の砂田麻美は家庭環境が幸いしてか、幼き頃から家族の映像を撮り続けてきた(加えて、普通の家庭ではまず無いであろう昔の映像までも残っている)。そのため家族がカメラを向けられる事に慣れており、そこに映る姿は驚くほど自然極まりなく、まさに家族の前だからこそ見せる表情を魅せてくれる。

それに本作は、元々映画化しようと撮ったモノではない。近年は仕事が忙しく、家族を撮る事を止めていた彼女が、病気発見をキッカケに撮るのを再開した”これまでの延長線上にある行為”に他ならない。単なるホームビデオと云ってしまえばまさにその通りであり、本作品で流れる映像も父親が病気を抱えている事を除けば、実にありきたりな日常が垂れ流しになっている、とも云える。

だがそこに監督オリジナルのスパイスがふんだんにふりかかる事によって、全く知らないおっちゃんを好きになってしまうほど魅力的に描かれた、そんな作品へと昇華させてしまう。そのセンスの数々は書き出すのが大変なほど多才で素晴らしく、初監督作品とは思えない力量を発揮する。うがった目で見れば題材による効果とも云えるが、自分はそれ以上の才能を感じた。



ごく個人的な事で云えば、自分自身4年ほど前に父親をガンで亡くしており、そんな父親に対して向き合うべき自分の不甲斐無さばかりが思い浮かんでしまい、作品として感動する以上に想い入れが吹き出し泣いてしまったのも確かだ。ひとつの作品として冷静な眼で鑑賞できたかどうか正直ちょっと自信が無いんだけど、決して泣きを売りにせず、あまつさえコミカルに描き切った砂田氏の姿は、どんな難病映画よりも(例え実話だとしても)身近に感じられる家族の姿ではないかと思う。


親がいる事は当たり前ではない。死は誰にでも必ずやってくる。普段なかなか考える事をしないそんな想いを自然に呼び起こす、素晴らしくも素敵な作品だ。年齢問わずに観て欲しい。


・・・上映館は少ないけど。
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雑記(気になった事など)

【訃報】「トップガン」をはじめとする数々のアクション映画を手掛けてきたトニー・スコット監督が亡くなった。しかも自殺であるという可能性が濃厚と報道されている。もちろん他人の心の中が分かるはずもないんだけど、いい意味で頭を使わずスカッとする大作を連射(ここ最近は快作が多かった)してきた監督だっただけに、「何故?」という思いがどうしても頭から離れない。ホント人の気持ちは複雑なのだと実感する。ご冥福をお祈りします。

プロフィール

ひだっちょ

Author:ひだっちょ
埼玉在住のおっさん(パソコンは初心者)
性格:人見知りが激しく偏屈(ヒドイね)
趣味:映画(ホラー以外何でも)
定期購読誌:「映画秘宝」
        「HYPER HOBBY」
TV番組の好み:お笑い番組全般と特撮番組をよく観る.アニメ・ドラマは少々
好きな映画:「グラン・ブルー」
        「あの夏いちばん静かな海」
好きな戦隊:「タイムレンジャー」
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※個人的に「パワーレンジャー」の日本放映を願っている(切実に!)

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